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アリの共同作業に感心!

  • アリの共同作業に感心!

材料

エサ(焼き鮭のかけら,ポカリスエット)

内容

・アリがエサを運んだりする様子を観察する。
・アリのそばにエサを置く。
・アリ達が協力してエサを運んだりすることがわかる。

詳細

 動画冒頭のシーンは,子どもさんのサッカー練習の世話をされていた同僚からの情報です。弁当に入っていた焼き鮭のかけらを落としていたようで,大きな獲物をたくさんのアリたちが協力し合って巣穴に運ぶ様子を,偶然見つけて撮影したということです。獲物が大きな場合,No.196「アリの後を追ってみよう」のように,その場に土を盛って獲物を確保し,少しずつかじり取って巣穴に運び込むと思っていました。それで,神輿のようにみんなで持ち上げて運ぶという姿が,とても新鮮に映りました。  そこで,同じ場所でアリ達の運搬作業を観察・記録することにしました。対象のアリは,海辺に生息するイソアシナガアリかと思われますが,特徴的な尻上げ行動を見せないので,違う種かもしれません。  1匹のアリのそばに焼き鮭のかけらを落としました。すぐにアリたちが集まり始め,6分後には運び始めました。1匹1匹が大顎でがっちり鮭を咥えて持ち上げ,20匹以上が協力して運んでいきます。ズルズル引きずるのではなく,スルスルと滑るように運ばれていきました。段差で転げ落ちても障害物があっても物ともせず,すぐに態勢を立て直して運び続ける姿に感心させられました。その間,1匹の兵隊アリが寄り添っていましたが,働きアリたちの,他のアリを寄せ付けない団結力を感じました。  見事な共同作業ですが,どのようにして統率がとられているのでしょうか。冒頭のシーンでは運び手だけでしたが,実験的観察では,上に数匹が乗ったまま運ばれていきました。祭りの神輿のように,上から指令を出しているのかもしれません。それとも,1匹1匹に,巣穴の方向を正確に感知する能力が備わっているのでしょうか。匂いを頼りにしているとしても,少なからず誤差が生まれてきそうなものですが。  もう1つの面白い情報が,アリたちのオアシス行動です。これは発見者の造語です。滴下したポカリスエットの水たまりに,アリたちが群がって吸水しています。腹部が大きく膨らんでいくのがよくわかります。巣に帰り,仲間や幼虫に吐き戻して分け与えるのでしょう。その様子が,いかにも仲良く微笑ましい光景として映りました。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) アリの後を追ってみよう

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態 探究心 808 春夏秋
春夏秋
広場;
広場
普通
少ない
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