原体験コラム一覧
科学実験データ一覧

『スウェーデントーチ:ロケットストーブタイプ』の燃焼動画を,6年理科『燃焼』単元で取り入れてみる

  • 『スウェーデントーチ:ロケットストーブタイプ』の燃焼動画を,6年理科『燃焼』単元で取り入れてみる

材料

ヒノキ角材(9×9×20cm) ロウソク 線香 ライター 30mmドリル インパクトドリル 30mmドリル刃 15mm平刃 万力 耐熱ガラス(ファイライト)  

内容

・太い角材を燃焼させる。
・角材を加工して『スウェーデントーチ:ロケットストーブタイプ』を作る。
・空気が効率よく入れ替わると,ものは良く燃えることがわかる。

詳細

『スウェーデントーチ』は,丸太に切り込みを入れて穴を開けた簡単な構造ですが,手軽に焚き火を楽しむことができます。キャンプでインスタ映えする暖房や調理器具として,人気が出てきました。 『道の駅みつ』で,可愛い(9×9×22cm)『スウェーデントーチ』を見つけました。手軽なので,6年理科『燃焼』で使うことを思いつきました。 ただ,チェーンソーなどは道具立てが大変なので,ドリルだけで加工できる『ロケットストーブ』タイプを自作することにしました。 『ロケットストーブ』は,科学実験・原体験データベースNo.814『レンガでロケットストーブを作ろう』をご覧ください。 金属トレーを燃焼台とします。太めのロウソクに火をつけて,横穴から差し込みます。炎が竪穴の壁を舐めるように配置します。竪穴に燃え移ったら,ロウソクを抜き去ります。 炎が立ち上れば,大きなロウソクのように勢いよく燃え続けます。横穴に線香の煙を近づけると,煙(空気)が吸い込まれていることがわかります。 さらに,縦半分にカットしたトーチに,耐熱ガラス(ファイライト:耐熱温度700℃)をセットして,燃焼させてみました。煙(空気)が勢いよく吸い込まれる様子や,竪穴内部の燃焼の様子が見て取れました。 実験後のトーチは,火消し壺に入れるか大量の水をかけるかして,完全に消火します。 6年生理科の『燃焼』の単元では,ものが燃え続ける条件は,空気が効率よく入れ替わることであることを,条件制御した『ア,イ,ウ,エ』の実験で検証していきます。 ラスボス『エ』の実験で「炎の様子に変わりはないか」と問うと,「炎が大きくなっている,炎が斜めになっている,炎がゆらめいている」ことに気づきます。 燃え続ける仕組みをまとめると,まず,炎の周りの空気が温められます。温められた空気は密度が下がって軽くなり,上へ動きます。そして,ビンの口から外へ,勢いよく出ていきます。その留守になった部分に,下から新しい空気が吸い込まれます。つまり,下から上に向かって一方通行の,空気の通り道ができています。言い変えると,下から上に風が吹いているのです。このようにして『上昇気流』が発生して空気が効率よく入れ替わるので,通常よりも速くロウソクが燃え尽きます。 この効率よく燃え続ける燃焼の仕組みを明らかにするために,太い角材をバーナーで炙っても焦げるだけなので,『スウェーデントーチ:ロケットストーブタイプ』の動画を視聴させる意義があります。 煙が吸い込まれる様子:ロウソクと同じように上昇気流が発生するので,下の横穴から空気がどんどん吸い込まれ,酸素がスムーズに供給され続けていることが明らかになります。「空気が入れかわって,新しい空気にふれることで,ものはよく燃え続ける」という単元のまとめを,太い角材でもどんどん燃え続けるという事実で,強く印象付けることができると考えています。 『スウェーデントーチ:ロケットストーブタイプ』を作るのは,思いの外大変でした。 ヒノキの角材(9×9×20cm)に,ドリルで30mmの穴を,上から16cmぐらいまで開けます。 穴を開けるだけだから簡単だとたかを括っていました。でも30mmの穴をあけようとしたので抵抗が大きくなり,刃が噛んで親指と手首を痛めました。  そこで,まず30mmドリルで3cmぐらい掘っておきました。次に,平刃の16mmのドリルで下まで掘り進め,改めて30mmで少しずつ掘り下げると,負荷が少なく比較的安全でした。 横倒しにして同じ要領で,30mmの横穴を,竪穴につながるまであけます。これで,『スウェーデントーチ:ロケットストーブタイプ』の完成です。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
化学 燃焼 探究心 982 春夏秋冬
春夏秋冬
山;野原;広場;
山 野原広場
難しい
危険
前のページへ戻る