飛ぶ種(ラワン,ツクバネ,シンジュ,オオモミジ,ヒマラヤシーダ,テイカカズラ) 種子の吹き上げ実験器 透明コップ
・飛ぶ種(Flying Seeds)が飛ぶ様子を観察する。
・『種子の吹き上げ実験器』で種子を吹き上げ,舞い降りてくる様子を観察する。
・落下スピードにブレーキをかけ,風に乗って遠くまで種子を散布するための仕組みがわかる。
飛ぶ種には,地面に落下するまでの時間が長くなるような,いろんな仕組みがあります。それは種子が,風に乗ってできるだけ広範囲に散布されるようにするための戦略です。 その仕組みを体感するために,子どもたちにカエデの種子(翼果)を与えました。子どもたちは嬉々として種子を投げ上げ,クルクルと回転しながら落ちてくる様子を何度も観察します。でも,すぐに下まで落ちてしまうので,回転することで落下スピードにブレーキがかかる様子を,もっとじっくり観察させてあげたいと思いました。 そこで,原体験教育研究会の梶原氏に『種子の吹き上げ実験器』をお借りしました。大きなサーキュレーターから出た風が,金網・ストローを通る間に整流されます。透明の筒が煙突がわりになり,種子が高く吹き上げられるという仕組みです。 スライダック(可変抵抗器)で電圧を調整すれば,種子が宙に浮いた状態で回転する様子を観察することができます。 ツクバネの種子。翼に反りと捻りが入っています。高速で回転しながら空気を押さえ込み,落下までの時間を稼ぎます。 シンジュ(ニワウルシ)の種子。左右非対称で,片方の端が捻れています。そのため,回転しながら螺旋を描いて舞い降りてきます。 ヒマラヤシーダの種子。これも左右非対称で,薄い翼が少しだけ反っています。下からの風が,翼の反りに沿って逃げるので,種子を中心にして高速回転します。 カエデ類で最大のテツカエデの種子です。オオモミジの種子が小さく見えます。翼の広い方へ風が逃げ,種子を中心にして比較的ゆっくりと回転します。 テイカカズラの種子。回転はしませんが,タンポポと同様に白い冠毛で風に乗り,浮遊しながらあちこちに飛び散っていきます。 飛ぶ種(Flying Seeds)の吹き上げ実験を,もっと楽しくする工夫を紹介します。 床に寝転ぶのです。そうすれば,種子が高く吹き上げられる様子や,回転しながら落ちてくる様子を,も〜っと長い間,じっくり観察することができるのです。 そして,手の届く範囲で,舞い降りてきた種子をコップでキャッチ! 楽しさ倍増です! 何人かでやって,だれが一番多くの種子をキャッチできたか,比べっこするのも楽しいですよ。 『吹き上げ実験器』を作るのは大変なので,体育館の2階から,種子を「ババッと投げて1階でキャッチ」でも十分楽しめると思いますよ。 ぜひ,子どもたちに,自然の妙のすばらしさを体感させてあげてください。
生物 | 植物 | 探究心 | 977 | 秋
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