キリギリスの雌雄 飼育ケース タマネギ ペットフード 産卵用の土(種まき培養土)
・キリギリスの産卵の様子を観察する。
・雌雄を飼育ケースに入れ,タマネギとペットフードで育てる。
・産卵や卵の様子を詳しく観察することができる。
たまたま私の前に飛び出してきたキリギリスの雌雄を,別々の飼育ケースで,タマネギとペットフードをエサに飼育していました。 同じ飼育ケースに入れると,いつの間にか交尾したようです。メスの腹部の先に,透明感のある白いゼリー状の塊(精包:精子袋)が付いていました。 メスは,オスからもらった精包を食べてしまうという情報があります。ふと見ると,精包の量が減っています。すでに,半分以上食べてしまったのでしょうか。 しばらく見ていると,長い産卵管が邪魔そうですが腹部をぐいっと曲げて,残りの精包を食べ始めました。ただ,すぐに食べてしまえるような量なのに,口先をモゾモゾ動かすだけで,ガツガツ平らげる様子はありません。まるで,舐めているかのようです。 長い間そうしていましたが,やおら精包から丸い塊を咥え出しました。これが精包本体のようです。体を伸ばして塊を口先で転がしていましたが,やがて全て食べてしまったようです。 またしばらくすると,あの窮屈な屈曲体勢を取って産卵管の根元あたりで口をモグモグ。産卵管を毛繕いのように,時間をかけて入念に手入れをしています。 腹部を裏側から見ると,産卵管の根元が2つに分かれていて,卵が送出される隙間が見えました。 精子は,精包から体内の精嚢に移動するそうです。 またしばらくして例の屈曲体勢になりました。板状のものの裏から,精包のようなものが顔を出しました。食べてしまったものとは別にもう1つ,格納していたのでしょうか。キリギリスの場合,交尾=受精ではないそうです。卵を産む前に,この部分で受精するのでしょうか。 産卵の様子が見やすいようにと,土代わりに寒天を入れてみましたが,見向きもしてくれませんでした。 翌日ふと見ると,ケースに入れていた土に,メスがグサリと産卵管を立てていました。今度は産卵の様子を観察できそうです。産卵管の先を地面に押し当て根本まで差し込みます。その様子は,グサリ,ブスブスではなく,グリグリグ〜という感じです。 土を入れた容器の内壁に沿って,産卵管を差し込む場合が何度かありました。その方が,抵抗が少なくて差し込みやすいからではないでしょうか。 産卵管は,樋(とい)が合わさったような構造をしています。卵を送り出すときは少し隙間ができて,上下に擦り合わせるようにするそうです。 残念ながら,卵を産み落とす瞬間は撮影できませんでした。『むし岡だいき』さんの動画に,その瞬間が紹介されています。https://www.youtube.com/watch?v=HIFUWB2Biak 30分ぐらい経ってから産卵管を抜き戻し,別の場所に移動して,また産卵を始めました。 メスが産卵していると,オスがそばに寄ってきます。上に乗っかったりして,どうみても邪魔になっています。自分の遺伝子を守るための行為なのでしょうか。 翌日,土を掘り返して,卵を探しました。ほぼ同じ深さ(約2.5cm)に産み付けられていました。約10×15cmのケースの土から,15個の卵が見つかりました。 卵は15個で0.15g つまり1個の重さは0.01gです。幅約1mm,長さ約5mmの大きさです。意外に硬くて,つまんでも潰れません。 1日分の産卵数が15個。何日かに分けて,数多くの卵を産みつけるようです。この卵は翌春に孵化する数は少なく,多くは2年3年後に孵化するそうです。
生物 | 生態 | 探究心 | 975 | 夏
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室内; |
普通
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少ない
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