大人も熱中！砂鉄遊びの決定版『砂鉄の選鉱体験』

砂鉄が１／３ほど含まれた砂浜の砂をすくってきて『選鉱体験』をしました。大型磁石で砂ごと砂鉄をくっつけます。３回ぐらい皿に取ったら「平らに広げ，磁石でくっつけては砂だけ捨てる」を繰り返します。砂鉄が，濃い髭面のようにごっそり付くのが快感！　砂が，どんどん真っ黒な砂鉄だけに選別されていくのでW快感！　大人も童心にかえって楽しめる，新たなアクティビティーです。 私たちに『選鉱体験』を教えてくださったのが「砂鉄研究所」の小寺さんです。マスターテクニックで，砂がみるみる真っ黒になりました！ 俄か弟子の私たちも『砂鉄の選鉱』にトライ！　全体の３／４ぐらいが，絡んでくっついてきた砂です。砂鉄だけを選別しやすいように，新聞紙の上で砂鉄砂を平らに広げます。 小寺さん開発の『砂鉄採取器』で砂をグリグリすると，砂鉄が砂と一緒にごっそりくっついてきます。タッパを持って磁石を外せば，砂鉄砂がドサッ！ それを何度も繰り返します。 磁石を少し浮かし気味にすると，砂鉄だけが引きつけられます。砂鉄が，ゆらゆらと生き物のように動きます。 それを別容器にドサッ！ 繰り返すたびに，黒色が際立ってきます。 選別した砂鉄を，ペットボトルに集めました。持ってみると，ドスンと持ち重りがするのでビックリです！ そのままだと海水の塩分が吸湿するので，綺麗に水洗いし，干して使うと良いと教わりました。 ただ，砂鉄を使った面白い実験や遊びがあまりないのが実情です。たくさん採れても，宝の持ち腐れなのです。 私は砂鉄そのもので遊ぶよりも，砂から砂鉄を磁石で選別する『選鉱あそび』こそが，最も面白いと感じました。子どもたちに体験させてみると，カニを食べている時のように，無言で黙々と何度も何度も『選鉱あそび』に興じることがわかりました。 小寺さん開発の『砂鉄採取器』は比較的安価で，長年のノウハウが詰まっています。フックマグネットを，お菓子のパッケージで包み込み，野菜のビニタイで結びます。これが，小寺さんが見つけ出されたタッパにピッタリはまります。簡単に着脱できる組み合わせが，目から鱗でした。 うっかり磁石に砂鉄が付いてしまうと，砂鉄の着脱ができなくなります。そんなときは，お菓子のパッケージを外して砂鉄を落とせば問題解決！ これも，目から鱗のアイディアです。 ハンドマグネッターは片手で扱えるので便利なのですが，２倍ぐらい高価になります。 ハンドルを握っても残る細かな砂鉄は，ガムテープではなく，歯ブラシを使うと簡単に掻き落とせるそうです。これまた目から鱗のノウハウでした。 砂鉄が多く含まれる砂は，砂浜全体ではなく極一部にしかありません。しかも波に洗われて，これまでに50cm厚ぐらい浚われてしまったそうです。あと１〜２年で無くなってしまうのではと，小寺さんは懸念されていました。 そもそも川の上流で『たらら製鉄』が盛んに行われていた地域です。河口に溜まりすぎた砂を浚渫し，その際に，底に溜まっていた砂鉄を多く含む砂を，少し離れた浜に積み上げたという歴史があるそうです。 ですから有名な砂鉄海岸のように，砂浜が黒々しているわけではありません。周りの砂浜と比べると，少し黒っぽいかなという程度です。部分的に砂鉄が顔を出していたり，ウサギのフンのような形ができていたりすることもあります。その辺りを大きな磁石で探ると，砂鉄ごっそりなんです。 砂鉄は，含まれている砂と比べると明らかに粒が小さめです。ですから，触らせると，意外にさらさらした触感に誰もが驚きの声を上げます。角はそれほど尖っていませんが，触った後は必ず手を洗うように指導しています。 小寺啓章（こでら ひろあき）さんが，研究の一端をまとめられた資料があります。 研究のスタートは，小学校の頃「中国山地の地質はとても古い」と先生から聞いて「古いのか〜」と残念に思った遠い記憶だったそうです。 古くて風化しやすく砂鉄を多く含む花崗岩の山々では，『たたら製鉄』が盛んに行われていました。そして，砂鉄を含む大量の土砂が河川に流れ込みます。それが海まで運搬され，堆積していきます。だから，海岸には砂鉄があるはずだと，７つの川沿いを丹念に調べて回られました。そして，ついに新舞子の西浜で，大量の砂鉄を発見されたのでした。 砂鉄選別体験（Sand iron selection experience） 磁性砂鉄分離（Magnetic sand iron separation） 砂鉄の楽しい実験（Fun experiments with sand iron） 砂鉄遊びアクティビティ（Sand iron play activities） 砂鉄の性質と用途（Sand iron properties and uses） 砂鉄の磁気実験（Sand iron magnetism experiments）