PPフィルムシート アルミテープ スーパーボール ストロー 水素・酸素ボンベ 観賞魚用ホース 塩ビ管 板材 丸棒 L字金具 チャッカマン(点火棒) 皿ネジ 超強力(PP用)両面テープ 超強力ボンド ユニオンパッキン 粘着ゲル両面テープ 板錘 分度器 巻き尺
・水素ロケットモデルの飛距離アップを図る。
・水素爆鳴気の充填方法などを改良したり,条件を変えたりして比較実験をする。
・飛距離30mオーバーを達成できる。
No.944『水素ロケットモデルを飛ばそう!』の実験で16m飛んだことがあったのですが,再現性がありませんでした。そこで,もっと飛距離を伸ばすべく,原体験のメンバーからアドバイスを得ながら取り組みました。水素ロケットモデル本体を大きくすれば,燃料である水素爆鳴気の量が増えるので,飛距離アップが可能でしょう。しかし,危険性と爆発音が増すので,本体を10cmのままにして飛距離アップを図りました。 その0【ロケット本体の改良・補強】実験前に,ロケット本体の工作にも改良を加えました。 本体が爆発の衝撃で破損しにくくするため,PPフィルムの巻き初めを,PP用超強力両面テープで固定しました。巻きの内側を固定するのは比較的難しいのですが,少しずつずらすと上手くいきました。巻きの外側も,両面テープで固定しました。 ある時からロケットの飛距離が全く伸びなくなったので調べると,何と水漏れしていました。爆発時の衝撃で,フタのアルミテープが破損して穴が空いていたことが原因でした。つまり,燃料の水素爆鳴気が漏れ出していたのです。 また,コーンだけがすっ飛んで行ったこともありました。これは,アルミテープの粘着力が弱いからでした。 そこで,筒の口にアルミテープ2枚でフタをする際に,口にPP用超強力両面テープを先に巻いて補強しておくことと,アルミテープの切れ目を深く入れないことに気をつけました。 その後,アルミテープを巻き付けたり,コーンや尾翼を超強力ボンドで固定する工程などは同じです。 口径20mmのロケットでは,発射台の塩ビパイプとの隙間が2mmしかありません。ロケットを全部被せると爆発時の抜けが追いつかず,本体が破裂することがありました。そこで,本体10cmの半分強55mmだけを被せていました。ストッパーとして,内径18mmの補修ユニオンパッキン2枚を使います。さらにパッキンがずれないよう,粘着ゲル両面テープをかましました。 その1【水素爆鳴気の充填方法の改良】 燃料の水素爆鳴気は,ボンベから酸素20mL,水素40mLを注射器で採取します。その後で,注射器のチューブを長いものに取り替えます。 水素爆鳴気は空気より軽いので,ロケット本体に下からチューブを挿入し,水素爆鳴気30mLをゆっくりと充填します。すると,中にあった空気の方が重いので入れ替わり,水素爆鳴気で満タンになるはずです。ロケットは,水素爆鳴気が漏れないよう,立て置きでスタンバイです。 次に,発射台を逆さにしてから長いチューブを奥まで挿入し,発射台の底から残りの水素爆鳴気30mLをゆっくりと充填します。水素爆鳴気が漏れないように指先でフタをして,発射台を元に戻します。 ロケット本体を発射台の口に素早く被せたら,3,2,1,発射!! 口径20mm,重さ5.5g,発射角度40°で,飛距離31.4mという大記録が生まれました。 やはり,水素と酸素が2:1の水素爆鳴気で満タンにして,間髪入れずに発射する方法がベストです! 以下,この充填方法で実験を続けました。 その2【ロケットの口径と発射台への被せ方を替えて,飛距離を比較】 口径を20mmから21mm , 22mmとアップしたら,爆発時の抜けが良くなるでしょう。そこで本体全部を被せると,加速時間の僅かな伸びで飛距離アップが期待できるかもしれません。 燃料の容量に差が出ないように,発射台のパイプを継ぎ足しました。 ・口径20mm,重さ5.5g,発射角度40°,飛距離31.4m ・口径21mm,重さ6.0g,飛距離23m ・口径22mm,重さ6.2g,飛距離19m ここまではロケットを55mmだけ被せていましたが,全部被せたらどうなるか,実験してみました。 ・口径20mm,全部被せ,飛距離21m ・口径21mm,全部被せ,飛距離9.6m ・口径22mm,全部被せ,飛距離8.7m その3【ロケットの重量を替えて,飛距離を比較】 本体の先に,コーン(半分にカットしたスーパーボール)を接着しています。それでも,全体の重さは6g弱しかありません。そこで,ロケット前部に釣り用の薄い板おもりを貼り付けて重量をアップすると,飛距離が伸びるかもしれないと考えました。 発射角度が40°だと天井に当たるようになったので,角度を35°に変更しました。板錘を小さくて細い短冊状にカットし,両面テープで貼り付けました。 ・口径20mm,錘8枚,重さ6.7g,発射角度35°,飛距離24.8m ・口径20mm,錘4枚,重さ6.1g,飛距離31m その4【発射角度を変えて,飛距離を比較】 ボールを投げる場合,45°の角度が良いとされていますが,実際は空気抵抗を考慮しなくても,角度はもう少し浅い方が良いようです。ロケット(ミサイル)のように棒状の場合,空気抵抗を受けやすいので,角度はもっと浅い方が良いでしょう。 ・口径20mm,錘無し,55mm被せ,発射角度40°,飛距離31.6m ・口径20mm,55mm被せ,発射角度35°,飛距離31.3m ・口径20mm,55mm被せ,発射角度30°,飛距離33m 以上,4つの手立てで,水素ロケットモデルの飛距離アップにトライしました。 結果をまとめると,長さ10cmの水素ロケットモデルで最長飛距離を記録したのは,口径20mm,錘無し,55mm被せ,水素爆鳴気100%,発射角度30°でした。 もはやロケットというよりはミサイルですが,前回の約9mから約33mへ,飛距離が大幅にアップしました。 飛距離アップには,他にも手立てがあるかもしれません。また,アルミテープが破損しやすいので,さらなる改良の余地があります。 爆発実験ですから,安全に対する配慮が大切です。実験するときには,安全メガネを装着しましょう。また,軍手などをはめることをお勧めします。耳栓もした方が良いでしょう。周囲で見学している人にも,耳を塞いで安全メガネを装着してもらいましょう。 念のためですが,水素爆鳴気の量を多くすると大事故につながるので,そのような実験は絶対にしないようにしてくださいね。
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