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コウノトリが爆食い!大ナマズも丸呑み!

  • コウノトリが爆食い!大ナマズも丸呑み!

材料

双眼鏡 ビデオカメラ 三脚

内容

・コウノトリの採餌行動を観察する。
・コウノトリの群れを探し,採餌の様子を観察・撮影する。
・小魚から大ナマズまで食べていることが分かる。

詳細

運良く,40羽以上のコウノトリが集結して盛んに魚を捕食している場面に遭遇しました。これまで見た最多の数です。他にもカモやダイサギなどが数多く集まっています。 理由は明白で,池の水を抜く「池干し」をしたからです。水が少なくなったので,魚たちは池の外に流れ出る溝の方へ集まってきます。それをどうやって知ったのか,多くの鳥たちが飛来したのです。 酸素が少なくなり,小魚が口を水面に出してパクパク(水面呼吸)しています。中には,大きなナマズやコイの姿も見かけられました。魚が水面に口を出してパクパクする行為を「水面呼吸」と言います。 時々見かける光景ですが,水中の溶存酸素量が少なくなって苦しいので,口から空気を吸い込んで呼吸していると勘違いされることが多いようです。空気を吸い込んで呼吸できるのは,雷魚や肺魚,ドジョウなど一部の魚だけです。 水面直下は空気に触れているので酸素が溶け込みやすく,溶存酸素が十分にある層になっています。 しかし,その層の厚みは水面下1〜数mmほどしかありません。つまり「水面口パクパク」は,溶存酸素の多いわずかな水を吸い込んで,エラ呼吸をしているのです。 見た目は苦しそうに見えますが「水面口パクパク」をしている口が小さな魚は酸素を得ることができているので,実はそんなに苦しくないそうです。それに対して口が大きなコイなどは,溶存酸素の少ない水まで大量に吸い込むことになるので効率が悪く,かなり苦しい状況にあります。結果的に小魚は生き延びるかもしれませんが,大きな魚は,酸欠で死んでしまうことが多いそうです。 魚の密度が一番高そうな辺りにコウノトリが集まって,盛んに獲物を探っています。池の水は濁っているので,魚の姿は見えません。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」でしょうか,闇雲に引っ切り無しに嘴を水中に突き刺し続けます。見ていると,効率はかなり悪いようです。やっと捕らえた獲物は,小魚ばかりでした。 ある池では,水草ごと小魚を摘み上げ,上手く魚だけにして飲み込んでいました。水草はお好きじゃないようですね。 しばらく観察していると,運良く大ナマズをゲットした個体が,苦労しながらも丸呑みする姿を2回も劇撮することができました。 大きくて重いし,ヌルヌルと滑りやすいし,暴れるし。飲み込むのに,かなり手こずっていました。1分ほどかかって,ようやくごっくん! 苦労に見合う満腹感だったでしょうね。 多くのシラサギたちは,コウノトリを取り巻くようにして,その酒池肉林状態を見ているだけです。おこぼれ頂戴しようとする個体は皆無です。優先順位をここまで守る理由は何なんでしょう。コウノトリがシラサギを蹴散らしている姿を見たことは一度もないのですが。 2〜3日すると,コウノトリもシラサギもすっかり姿を消してしまいました。その代わりに,水面に白っぽいものが無数に浮かんでいます。アップしてみると,正体は大きなコイの死骸でした。 大きすぎてコウノトリに喰われなかったのでしょう。でも,酸欠で死んでしまったようです。その後この池には,鳥たちが集まることはありませんでした。 他の池では,干上がった泥の上に,無数の小魚が干からびていました。こんな死に方をするなら,鳥たちの餌になった方が良かったかもしれません。 もったいないことだなと感じました。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態 感受性 953
秋
野原;
野原
難しい
少し危険
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