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「投稿!特ホウ王国」の『雲を消す男』を再現!

  • 「投稿!特ホウ王国」の『雲を消す男』を再現!

材料

ビデオカメラ 三脚

内容

・『雲を消す男』はイカサマ・詐欺だと証明する。
・はぐれ雲の様子を,数分間観察する。
・雲は,自然に出来たり消えたりしていることがわかる。

詳細

30年ほど前に「ウッチャンナンチャンの投稿!特ホウ王国」という番組が放送されていました。視聴者からの投稿を特派員が取材し,スタジオでタレント審査員が審査します。ベストスクープ投稿には賞金50万円! という,なかなか太っ腹な番組でした。 その中で「雲を消す男」を実際に取材し,その「男」が,カメラの前で雲を消して見せた回がありました。「え〜い!え〜い!」と気を送っていたのでしょうか,小さな雲が,みるみる姿を消していったのです。MCはじめスタジオが騒然となりました。その「男」(顔出しNG)は,賞金50万円をかっさらっていきました。 雲は小さな小さな水や氷の粒でできています。そして,常に出来たり消えたりしているのです。しかし,数分間も雲をじ〜っと見ていたことのある人は少ないでしょう。ですから,時間が経てば自然に消えていく雲の姿を,「男」が消したと思い込まされたのです。 そもそも,取材は「男」の都合で日時を指定されていました。消しやすい雲が出る日をねらって,取材班を呼びつけたのです。そして,しばらくすると消えそうな小さな「はぐれ雲」を選んで,「男」は気を送るマネをしていただけのことなのです。 「気」は,何となくエネルギーをもっているようなイメージがもたれています。その熱を浴びせ続ければ,小さな水滴が蒸発して雲が消えことがありうるよなと,騙されてしまったのかもしれません。すぐにイカサマ・詐欺だと分かった人が,番組関係者にはいなかったのでしょうか。もしかしたら,番組サイドの確信犯かもしれませんが。 翌日,子どもたちに「全国の理科の先生は,誰一人だまされてないと思うよ。」と,事の顛末を説明したのは言うまでもありません。 ただその当時「雲を消す男」をマネて,実際に「雲を消すことができた!」と,大喜びした子どもがたくさんいたことでしょう。でも,その子達に夢やロマンを与えたと言うだけでの50万円は,ぼったくりだと思います。 あれから十分に熱りが覚めているので,そういう輩にまた騙されないよう,「雲を消す?ことは,誰にでもできるんだ」という動画を作っておこうと思い立ちました。 肝心なのは,雲選びです。悪天が回復して晴れ間が広がる予報が出ている日,その午前中が狙い目です。まだ雲が残っている空で,小さな「はぐれ雲」を探します。 積雲(綿雲)の寿命は,長くて10分と言われているようです。形がくっきりした濃い雲は密度が高いので,消えにくい・消しにくい雲です。輪郭がぼやっとしている薄い感じの雲が狙い目です。 周囲に雲がないと言うことは,水蒸気量が少ない状態です。ですから,気温が高くなるに従って,どんどん小さな水滴が蒸発して雲が消えていきます。消えるまでに数分かかる場合が多いのですが,ときには2〜3分で消えてしまう雲もあります。しばらく雲を物色していれば,「消しやすい雲」を見分けることができるようになります。 空の状態と時間を見定めて,あなたも是非,雲を消してみてください。勝手に消えていく雲なのですが,ちょっとした達成感を味わうことができて楽しいものです。 せっかくの学びを,人を騙すことに使うなんて言語道断! 悪人に騙されないよう自分や他の人を幸せにすることに生かしてほしいものです。 たまには,このように青空に浮かぶ雲をぼんやりと眺めてみませんか。そんな心のゆとりが,人生をちょっぴり豊かなものにしてくれるかもしれませんよ。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
地学 大気と水 探究心 950 春夏秋
春夏秋
広場;
広場
普通
普通
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