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身近な物で,空気の重さを量ろう

  • 身近な物で,空気の重さを量ろう

材料

1.5L炭酸系ペットボトル2本 観賞魚用ホース(シリコンタイプ) ジョイント ダブルクリップ 容器 電子天秤 空気ポンプ

内容

・空気に重さがあるかどうか調べる。
・ペットボトルに空気を詰め込み,空気1L分を水上置換することで,重さを量る。
・空気には重さがあり,1Lあたり1gぐらいだと分かる。

詳細

小学4年生に空のペットボトルを見せ,「この中には何も入ってないよね」と問うと,多くの子どもが「空気が満タン入ってる」と答えます。 ペットボトルを電子天秤の上にのせて,「この重さは,ペットボトルと中の空気の重さを合わせたものだね。」と問うと,「空気には重さがないから,これはペットボトルだけの重さだ。」と答える子どもがほとんどです。 重さが分からない場合,小さいものなら,手のひらに乗せておよその重さを予想するでしょう。空気の場合,そうしても,重さは全く感じません。だから,「空気には重さがない」と答える子どもが多いのも頷けます。 実は空気には重さがあって,私たちは,深い深い空気の海の底に住んでいる。その空気の重さを「大気圧」という。その「大気圧」がいろんな物を押さえつけているので,例えば,No.588の「ゴムピタ君」が持ち上げられなかったり,離れなかったりするんだよと,知らせたいと思います。 そこで,空気には重さがあるということを,目の前で体験的に理解させるための実験を開発しました。 普段は感じることのない空気の重さを,身近にあるもので量ってみましょう。 材料は,1.5L炭酸系ペットボトル(キャップ付き)2本,観賞魚用シリコンホースとジョイント,ダブルクリップ,水が2L入る容器,電子天秤,空気ポンプです。 ペットボトルのキャップに,ドリルで5mmの穴を開けます。これは,ホースよりも細い穴になります。 シリコンホースを,10cmほどにカットします。このとき,切り口が斜めになるようにカットすることがポイントです。 斜めカットした方を,外側からキャップの穴に通し,ラジオペンチなどで,無理矢理,内側に2〜3cmほど引き込みます。 この方法は「引きばめ」(名前があやあふや)と言って,これだけで,穴から気体や液体が漏れなくなる優れた技です。 チューブの反対側を折り曲げて,ダブルクリップでとめます。この状態で電子天秤に乗せ,風袋引き(ふうたいびき:0設定)して,準備OKです。 ダブルクリップを外し,ホースの反対側を,空気ポンプのアタッチメントに強くねじ込みます。 空気ポンプで,空気をペットボトルの中に押し込みます。10回ぐらい押してください。 押し込んだ空気が漏れないよう,ホースを2つ折りにして,ダブルクリップで挟みます。 ホースを空気ポンプ(アタッチメント)から外し,電子天秤で重さを計ります。2.5gありました。 1Lのところにマジックで印をつけた,もう1本のペットボトルを水で満たします。水槽に逆さに入れます。 ホースに,45cmぐらいの延長ホースを,ジョイントでつなぎます。 チューブの端を,水入りペットボトルの口からに差し込みます。水上置換です。 ダブルクリップを外し,ポンプで詰め込んだ空気を,少しずつ水入りペットボトルの方に出していきます。 ちょうど1Lになったらストップです。 もう一度ダブルクリップで折り曲げたホースを挟み,ジョイントを外します。 電子天秤に乗せると1.4g 。2.5ー1.4=1.1  つまり,空気の重さは,1Lあたり1.1gという結果が出ました。 正しい計測値が約1.29gなので,そこそこ良い結果が出たと言えるでしょう。 これまでは,空気には重さがあって,1Lあたり1.29gだという情報を見せるだけでした。 教師実験で十分だと思います。一人では手間がかかるので,子どもたちに手伝ってもらいましょう。 子どもたちの眼の前で演示し,数値の変化を見せることで,実感を伴った理解になると考えます。 準備が比較的簡単な実験なので,お勧めです。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 大気圧 探究心 925 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
普通
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