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ウメ・アンズ,モモも早咲きサクラまで,みんなみ〜んな鳥媒花!

  • ウメ・アンズ,モモも早咲きサクラまで,みんなみ〜んな鳥媒花!

材料

双眼鏡 ビデオ デジカメ 三脚

内容

・鳥媒花について調べる。
・2月〜3月に咲く花に飛来する,鳥の様子を観察する。
・昆虫が活発に活動しない時期に咲く花は,鳥媒花であることが分かる。

詳細

小学5年生で,受粉について学びます。ヘチマやカボチャの花粉は,昆虫によって運ばれて受粉する。ギブ&テイクで,花は昆虫に蜜を与えているというような内容です。 発展的に,その花を「虫媒花」という。目立つ花びらがあって蜜を出す花のほとんどは「虫媒花」だということにも触れます。 「虫媒花」の他に「風媒花」,「水媒花」,そして「鳥媒花」があることも紹介します。 「鳥媒花」にはどんな花があるかと問われると,私自身,実際に見たのはツバキとサザンカだけですし,教科書に掲載されているのもツバキです。 2月中旬,中庭に咲いている梅(梅と杏の交雑種)と杏の花から花へと,2羽のメジロが忙しなく飛び回っているのが目に止まりました。蜜を吸いに(舐めに?)飛来したのです。 まだまだ気温が低いので,昆虫の姿は全く見られません。ということは,梅や杏は鳥媒花なのか。そのとき初めてピンと来ました。さらに言うと,梅干しや杏ジャムが食べられるのは,メジロのお陰だったんだ! 梅の蜜量は比較的豊富で,鳥にとってはこの時期,有難い栄養源だそうです。メジロだけでなく,ヒヨドリも飛来しました。ヒヨドリの方が大きいだけに優勢で,先に来ていたメジロを追い払って,蜜を舐めて回ります。 メジロやヒヨドリは,枝にとまって嘴を花に差し込みます。そして,舌先で花蜜を舐め取ります。残念ながら,舌先の様子を観察することはできませんでした。ちなみに,メジロやヒヨドリの舌先は,細かく枝分かれしている(毛筆のように)ので,蜜が絡みやすくなっています。これは,野生鳥獣救護センター(京都市動物園)のブログで確認できます。https://www5.city.kyoto.jp/zoo/rescue/rescue-blog/whisper/20170209-23474.html スズメやシジュウカラなどよりも,嘴や舌が細長いだけではなかったんですね。 個体数は,鳥より昆虫の方が多いでしょうが,運動量は鳥の方が上回りそうです。疲れも見せず,こまめに1つ1つ花を回り,蜜を舐め取っていきます。 驚いたことに,冷たい小雨降る朝にも,蜜舐めに飛来していました。1つの花の蜜量はわずかだと思いますが,ちりも積もればなんでしょうね。 花粉は嘴に付いて運ばれ,受粉に至ります。嘴は,昆虫のように花粉まみれになっていないのですが,ちゃんと受粉できているようです。 試しにポリエチレン袋で蕾を覆い,受粉の有無による結実の違いを調べてみました。予想通り,他の花は鳥に受粉してもらったお陰で実が付きましたが,袋で覆った花は,実を結びませんでした。 2月〜3月は,まだ昆虫たちが活発に動けない時期です。よって,この時期に咲く花は「鳥媒花」だと考えられます。ツバキにサザンカ,ウメにアンズだけでなく,モモも早咲きのサクラも「鳥媒花」だったんだなあと,認識を新たにした次第です。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 動物 植物  探究心 919
春
山;
山
難しい
普通
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