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縦置き飼育ケースで,バッタを飼育・観察しよう

  • 縦置き飼育ケースで,バッタを飼育・観察しよう

材料

トノサマバッタやショウリョウバッタ,飼育ケース(大,特大),広口ガラス瓶,食草(イネ科),産卵用の川砂とタッパ

内容

・バッタを飼育・観察する。
・飼育ケースを縦置きにして,瓶に食草を入れて与える。
・長い食草を,そのまま与えることができる。

詳細

河川敷など,イネ科の植物が生い茂っている草むらで,バッタを捕まえます。採集したバッタ は,飼育ケースに入れて飼育・観察しましょう。 準備するものは,飼育ケース(大,特大),広口ガラス瓶,食草(イネ科),産卵用の土と容器です。 バッタ類の食草は,草丈が長いイネ科の植物です。すぐ枯れないよう,水を入れた瓶に挿して与えます。このとき,飼育ケースを普通に置いたのでは,食草の丈を,かなり短くカットする必要があります。 この問題は,教科書でも紹介されたことのある「飼育ケースの縦置き」で,かなり解消できます。 食草を50cmぐらいにカットしながら,水を入れたガラス瓶に集めます。瓶は広口の方が,たくさん入るので良いでしょう。瓶の底に,滑り止めのマットを両面テープで貼り付けておくと,倒れにくくなるし,ケースが傷つきません。 縦置きにしたケースの奥に瓶を置き,長い食草を折り曲げながらケースに入れます。最後にフタで押し込みます。横から見ると,フタの方まで回り込むようになります。これだけ長ければ,食欲旺盛なバッタを飼育しても,かなり長持ちするでしょう。 このケース縦置き法は,できるだけ丈の長い食草を水挿ししたくて思いついた方法です。 メリットは他にもあります。観察窓(面)は,横置き・縦置きタイプともに4面ですが,縦置きタイプの方が面積が大きくなりますし,上からも覗ける利点があります。 さらにフタも透明なケースなら,観察窓が5面に増えるので,四方八方から観察することができます。 ケースの底に,土や水ゴケを敷いた方が見た目にも良いのですが,何も入れない方が,フンの片付けが簡単です。それに,湿り気があるとフンがカビるし,掃除がし難くなります。 この環境でも,トノサマバッタやショウリョウバッタはよく食べ,よく出します。フンが溜まったら,バッタを別のケースに移します。そして,フタを外してフンを掃き出せばOKです。フンは乾燥状態なので,掃除は簡単です。 小さなオスが大きなメスの背に乗って,交尾をします。オスが,腹部をJの字にねじ曲げ,互いの交尾器を接合します。何とも苦しげな交尾の体勢です。 オスは,折りたたんだ後足を揃えてリズムを取るような仕草をしたあと,キリキリと鳴きます。鳴くと言っても,後足の腿節(もも)の内側のヤスリ状の歯(発音小歯)と前羽の外側の翅脈を,高速で擦り合わせて音を出します。これは,メスに交尾を促す行為だと言われていますが,交尾していても鳴くので,理由は定かではありません。 交尾をする様子を観察できたら,容器に入れた産卵用の土をケースに入れます。土には,湿り気を少し与えておきます。 人工産卵床として,筋をいくつも切り込んだスポンジを,タッパに入れます。底に少し水を張り,上には水苔を敷いて湿らせておきます。うまくいけば,ここに産卵するかもしれません。 卵が産み付けられた土は,別の大きな容器に入れてフタをします。そして,来春まで湿度管理をしながら保存します。春に小さな幼虫が孵化する様子が観察できれば,命が受け継がれていくイメージを,強く印象付けることができるのではないでしょうか。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態 生命愛護 908
秋
室内;川;野原;
室内 川 野原
普通
普通
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