気圧・高度計(アプリ) あべのハルカス
・気圧と高度の関係を調べる。
・「あべのハルカス」に上り,アプリで気圧と高度を調べる。
・高度が上がると気圧が下がることが,数値として分かる。
深海釣りで魚を釣り上げると,目や浮き袋が飛び出した異様な姿になることがあります。それは,何十気圧もの水圧に耐えて生きていたのに,釣り上げられることで水圧が急激に減少したからです。 その点については,私たちも他人事ではありません。宇宙から見れば,人間は地球の「空気の海の底」にすんでいることになります。この考え方は,トリチェリーやパスカルの時代からあったそうです。 上空約10km(1万m)までの空気の重さは,1㎠あたり1kgもあります。海抜0m(地表)で1㎡あたりの圧力を,標準大気圧=1013.25hpa(ヘクトパスカル)=1気圧(1atm)としています。 この大気圧は当然のことながら,上空に行くにつれて下ります。あるデータでは,高度0mで1013.2hpaだった場合,高度300mでは977.7hpaと35.5hpaの差がありました。気圧が1hpa変わると,高度は約8.5m変わることになるようです。 この気圧の降下は,飛行機に乗っていては測ることができません。機内の気圧は,与圧装置で約0.8気圧に調整されているからです。それでも,地上で凹ませたペットボトルやポテチの袋は,1万m上空ではパンパンに膨らみます。山に上り下りすれば,気圧の降下や上昇を確認できますが,300m登るのに1時間はかかるでしょう。 そこで,日本一高いビル(令和2年現在)「あべのハルカス」の展望台「ハルカス300」に上って,高度と気圧の関係を調べてみることにしました。 16階からエレベーターで一気に最上階まで。時間は1分もかかりません。ドアが開くと,耳がツンとなりました。 60階にある,大阪の街を360°見渡せる「天上回廊」の高さは288mとなっています。見下ろした街はまるでミニチュアの世界で,電車や車がオモチャのように見えました。一般の高層ビルからの眺めとは一線を画した光景です。 アプリで表示された高度は約289m,気圧は約973hpaでした。曇り空でしたが,さすがに気圧が低いなと思いました。耳ツン以外の体感はありませんでしたが。 気圧の違いを確かめるため,60階から地上まで降りて,もう一度アプリを見ました。高度は約−1m,海抜0m地帯の大阪ならではでしょうか。気圧は約1007hpaで,約34hpaの差があります。1hpa変わると,高度が約8.5m変わることになります。上記のデータと,同じような結果になりました。 いずれにしても,私たちは深〜い「空気の海の底」で生活しているのだということを,数値として実感することができた体験でした。
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