ヒマラヤスギ 実 種子 シダローズ
・ヒマラヤスギについて調べる。
・樹齢30年以上のヒマラヤスギの木を探す。
・シダローズは,ヒマラヤスギの実の先の部分であることが分かる。
柳田さんに初めて見せてもらったシダローズはとても魅力的な存在で,茶色い色とその形から「バラの化石」というのが,私のイメージでした。それがヒマラヤスギの実であり,いわゆる松ぼっくりの先の部分であることも,そのとき教わりました。 ネットで検索すると,リースのオーナメントとして人気があり,大きなものだと500円以上の値がついていました。それもそのはず。松の実(松ぼっくり)は,時期が来ると,そこかしこに落ちています。しかし,ヒマラヤスギは,樹齢が30年以上経たないと実をつけないそうです。つまりシダローズは,めったにお目にかかれないレア物だからです。 ヒマラヤスギは雌雄同株(どうしゅ)です。動画では,誤って雌雄(どうかぶ)と言っていますが。スギという名ですが,葉は針形でマツの仲間です。ということで,片手ほどの大きな卵のような実(球果)は,松ぼっくりと呼んでもよいでしょう。晩秋には大きな毛虫のような雄花が無数につき,まだまだ小さい雌花に受粉します。緑の雌花は,どんどん大きく茶色くなっていきます。 12月上旬に柳田さんの案内で,樹齢60年以上のヒマラヤスギの大木を訪れました。二抱えはありそうな立派な木の足元には,無数の雄花が落ちていました。大きくなった雌花は,枝の中ほどに上を向いて付いています。松ぼっくりを見慣れているためか,大きな実が一様に上を向いている姿は,少し異様に感じました。 大木の足元には,実が崩れて落ちてきた鱗片が散らばっていましたが,種子数が少ないのは意外でした。種子には薄い翼のようなもの付いています。いわゆる飛ぶ種の一種で,クルクル回転しながらゆっくりと落ちてきます。そのため,落ちてくる時か落ちた後に,風にあおられて遠くに飛散したのでしょう。 お目当てのシダローズは,種子が成熟する時期(11月〜2月)に毎朝チェックしても,1日に1〜2個拾えるかどうか。特に,大風が吹いた後が狙い目だそうです。ただ,下を向いて落ちていることがあり,見慣れた人でないと気づかないことがあるそうです。 柳田さんが,水に漬けていたシダローズを見せてくださいました。これが!?と思うほど,全く別物になっています。鱗片は完全に閉じていて,小さくて黒っぽい固まりなのです。開いたものと見比べても,とうてい同じものとは思えない変わり様にびっくりです。 シダローズはもちろんのことヒマラヤスギ自体を意識して見たことのない私にとって,今回の大木訪問は,とても収穫の多い体験になりました。
生物 | 植物 | 自然愛護 | 891 | 冬
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