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幸運の夕日「だるま夕日」を見よう

  • 幸運の夕日「だるま夕日」を見よう

材料

デジカメ 三脚 双眼鏡

内容

・「だるま夕日」を観察・撮影する。
・雲が海面上にない夕方,水平線に太陽が沈む場所に出向く。
・下位蜃気楼(光が上方に屈折)によって下から別の太陽が現れるように見え,2つの太陽が合体して「だるま」型になることが分かる。

詳細

「だるま夕日」で検索すると,高知県の宿毛(すくも)湾などがヒットします。周囲の景観も含めてでしょうが,「日本夕日百選」に選ばれている絶景だそうです。「だるま夕日」は,そんな数少ない名所でしか見ることができない貴重な自然現象だと思い込んでいました。しかし,太平洋沿岸だけではなく瀬戸内海でも,条件が揃えば普通に見られるよと教えられて,色めき立ちました。 「だるま夕日」とは,海面近くに雲がない冬の夕暮れ時に見られる現象です。丸い夕日の形が「だるま」のような形に見えることから名付けられたようです。 「だるま」のように見えるのは,蜃気楼の一種の「下位蜃気楼」によるものです。11月中旬から2月中旬のシーズン中,気温は下がっても海水温は下がりにくいので,海面の気温とその上の気温に差が出ます。上の冷たい空気の方が密度が高いので,光は上の方へカーブするように屈折して進みます。すると,目は本物の太陽の位置より下の方から光が来るように錯覚し,本物の下に,上下逆さになった太陽を見ることになります。そして,上の本物太陽は下へ沈み,下の蜃気楼太陽は上へ動くように見えます。やがて2つがくっついて「だるま」のような形になります。ただ,海面より下の部分は見えませんが。 紹介された場所は,明石海峡大橋の明石側の橋脚の下辺りにある舞子公園です。雲ひとつない夕方を見計らってカメラを構えていると,待望の「だるま夕日」を観察・撮影することができました。風が強く気温差があるために大気が揺らぐので,丸いはずの夕日の周縁がガタガタに見えました。 夕日の下縁が海面に触れる直前,下から蜃気楼太陽が顔を出し,上の本物太陽と合体して可愛い「だるま」型になりました。その後も「焼いてふくらんだ餅」,「饅頭」,「おにぎり」型など,刻々と形が変化していきましたが,その仕組みは説明できません。前を小さな雲が横切ろうものなら,予想がつかないような形に変化するようです。終盤になると,下へ沈んでいるはずなのに,太陽は小さな光の塊となって海面上に浮かんで見えるようになります。何とも不思議な光景です。さらに形を変えながら小さくなっていき,海面上で消失しました。 空気が澄み切っていれば,この最後の最後の瞬間に,パッと鮮やかな緑色に光る「グリーンフラッシュ」が見えるかもしれません。そこまで見えたら,まさに奇跡・神秘そのものですね。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
地学 光 大気 自然愛護 888
冬
海;
海
難しい
普通
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