紙テープ,ハサミ,透明プラコップ(PET樹脂製),カッター,セロハンテープ
・声が出る仕組みを調べる。
・2つ折りにした紙テープに息を吹き込む。
・テープが震えて音が出ることが分かる。
小学3年の理科に『音』が戻ってきます。これまで『音』の学習は中学1年が最初でした。しかし,中学生が音ネタの定番「紙コップ電話」を授業で体験することは,ほとんどないようです。もっとも,生徒の多くは,保育園や幼稚園で「紙コップ電話」を体験しているようです。作ったとしても,ストロー笛が精一杯というのが現状でしょう。 『音』と言えば楽器の音色を思い浮かべるかもしれませんが,最も身近な『音』は声ではないでしょうか。喉を触りながら「あ〜い〜う〜」などと声を出せば,指先に震えを感じます。喉の中で声帯が震えることで声が出ます。その様子がよく分かる,スローモーション映像付きの動画がオススメです。https://www.youtube.com/watch?v=btYantLfWnU 2枚のヒダ状の声帯は呼吸しているときには開いていますが,声を出すときはほぼ閉じています。肺からの息が声帯に当たって狭い隙間を通るとき,声帯が震えて音(声)が出ます。その隙間が伸びて張っていると高い声,縮んで緩んでいると低い声になります。その音(声)は,首・鼻・口の空洞(共鳴腔)で響いて大きくなります。そして,口の形や顎・舌の動き(口腔の容積変化)によって声(言葉)になります。 この仕組みは,紙テープで作ったダブルリード笛で,ある程度,体験的に理解できると思います。 紙テープを20cmぐらいに切ります。短いと震えている様子が見にくいので,長めにします。紙テープには巻きグセがついています。間に隙間ができるように,2つ折りにします。端を1.5cmぐらいに折り返します。片方を反対に折り返し,根元を人差し指と中指で軽く挟みます。唇に当ててから,息を吹き込めるように,指と指の間を1〜2mm開けることがポイントです。 隙間に息を吹き込むと,2枚の紙テープが震えて音が出ます。反対の指先で紙テープに触れると,視覚だけでなく触覚でも震動を感じることができます。これで,物の震えと音が関連づけられるでしょう。 小さな子どもには,隙間を1〜2mm開けることは難しいでしょう。そこで,手間はかかりますが,以下のような工夫をしました。透明プラコップ(PET樹脂製)の底に,2×20mmの穴を開けます。そこに紙テープダブルリード笛を差し込んで,セロハンテープで固定します。これで,誰でも音が出せますし,目と指先で紙テープの震動を確認することもできます。 この体験の後で「紙コップで粒々ダンシング」,「紙コップ糸電話」,「紙コップロング風船電話」と体験を重ねることで,声帯の震えが声となり,声が空気の震動となって相手に伝わることを理解させることができると思います。
物理 | 音 | 探究心 | 880 | 春夏秋冬
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室内; |
やさしい
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少ない
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