オオハクチョウ 双眼鏡 カメラ
・オオハクチョウを観察する。
・オオハクチョウの飛来地に出向く。
・縄張り意識や飛翔の様子が分かる。
冬になってオオハクチョウが渡ってくる地域は,雪深い地域だというイメージがありました。しかし,ここ兵庫県が南限であり,しかも比較的近場でオオハクチョウが見られると聞きおよび,半信半疑で出かけました。白鳥の「湖」ではなく,大きめの「池」に,その姿がありました。しかも14羽も。驚きました。 小さなオオバンやヒドリガモがたくさんいましたが,オオハクチョウは大きいだけでなく,風格と気品を感じました。泳いでいるときは人影を気にして遠ざかろうとしますが,休息場所辺りでは,羽繕い(はづくろい,動画では×毛繕い)をしたり,顔を羽に埋めて眠ったり,水草を食べたりする様子を観察することができます。童話「みにくいアヒルの子」は灰色でした。今では親鳥よりも少し大きく見える幼鳥たちの羽には,まだ灰色が残っていることも分かりました。 しばらくすると,眠っていたハクチョウが起き出し水に入りました。ご近所の方に聞くと,そろそろ餌を与える方が来られる時間だということです。ハクチョウたちは,その時刻を覚えており,文字どおり首を長くして,その時を心待ちにしているのでした。 その方が来られたので,餌を見せてもらいました。バケツ2杯の餌のレシピは,小米・米ぬか・みじん切りのキャベツなどを混ぜ合わせたものです。それを,護岸コンクリートの水際の枠に置き分けていきます。しかも,2カ所に分けて。その意味は,後で分かることになりました。 おじさんが土手に上がられるのを合図に,先陣を切って餌に向かったのがオオバンでした。カモも続き,ハクチョウが最後に警戒しながらに餌に近づいていきます。後は慣れているようで,餌をくちばしですくっては水を飲んで流し込みます。その際,長い首がクニャッと大きく曲がり,別の生き物を見ているような違和感を覚えました。泳いでいるときには感じなかった首の長さを,改めて見ることができました。 餌を盛んに漁っているハクチョウたち(7羽)を尻目に,少し離れて様子をうかがっているグループ(7羽)があります。おじさんにお聞きすると,ここには2つのファミリーがいて,先にここに来たファミリーが先取権をもっていて,後から来たファミリーを威嚇しているのでした。しばらくして,そのファミリーは,おじさんが離して置き分けてくださった餌を食べるようになりました。この力関係を,ちゃんと心得ておられたのです。 採餌時間は40分以上ありました。満腹になったハクチョウたちは餌場を離れましたが,残った餌は,オオバンやカモがきれいに食べ尽くしてくれるそうです。 後日,再度池を訪れると,ちょうど3つ目のファミリー5羽が,餌場に泳いで近づいてくるところでした。別の池で見かけたファミリーですが,3番手なので,さらに肩身が狭そうです。先輩ハクチョウたちが,大きな鳴き声で盛んに威嚇しています。最終的に端の方でようやく餌にありついたものの,また威嚇されて餌場を離れざるを得ませんでした。美しいハクチョウでも,餌を巡った闘争があるんですね。 やがて3番手の5羽は諦めて泳ぎ去り,素晴らしく見事な飛翔を見せながら,元いた池の方に飛び去って行きました。
生物 | 生態 | 愛護心 | 864 | 冬
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野原; |
難しい
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普通
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