双眼鏡 デジタルカメラ ビデオカメラ
・カワウのねぐら&コロニーの様子を観察する。
・川沿いで,葉がなく白い木々を見つける。
・カワウの群れが排泄する大量の白い糞がこびりついて,木々が白くなっていることが分かる。
カワウは餌不足で数を減らしていた時期がありましたが,河川の水質向上による餌(魚)の増加で,個体数を急増させてきました。そのため,大群を目にすることが増えました。ある河川の下流でも,多数のカワウが川沿いの木々をねぐらにしています。人があまり近づかない水辺にあって,繁殖期には,ここがコロニー(集団営巣地)になります。 普段は真っ黒いイメージがあるカワウですが,繁殖期には,頭部と腰部が白くなります。これを繁殖羽といいます。ただ,頭部が白くなる割合には雌雄の別ではなく個体差があるようです。コロニーには多数の巣が掛けられます。巣材は主に細い小枝です。産卵後は,オス・メスが交代で抱卵します。嘴で卵を動かし,満遍なく温めようとする姿が見られました。3月下旬時点で,1頭のヒナが確認できました。 カワウは,採餌のため早朝に餌場に飛び立ちます。もぬけの殻になったねぐらの木々を見ると,幹や枝が異様に白くなっています。これは,カワウが排泄した多量の糞がこびり付いたためです。営巣してからは,糞は巣の外にするようにしています。観察中,糞をドビュッと排泄している様子が何度も見られました。葉にも糞が白くこびりついています。このままでは光合成ができないので,樹木は枯死することになります。かつては採糞して肥料にしていたようですが,ずいぶん前から化学肥料に取って代わられています。今では景観悪化だけでなく,水質・土壌汚染や悪臭などの糞害が問題になっているところがあるようです。 カワウが羽を広げているのは,濡れた羽を乾かすためです。採餌の際に水に潜りやすいように,足に水かきがあるだけではなく,羽が水を弾かないようになっています。そのため泳ぐときも,体の半分以上が沈んでいます。また,バシャバシャと大きな音を立て,水面で羽ばたく姿をよく目にします。飛び立つ準備ではありません。羽についたダニなどを落としているのでしょうか。 別の川の中州にあったねぐらから,群れがいなくなりました。近くで工事が行われるようになったからでしょうか。または,誰かが脅かしたのかもしれません。悪戯に撹乱すると群れが広域に拡散し,またそこで大繁殖することになるそうです。内水面の漁業被害などを増やさないためにも,控えなければなりません。
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