カメラ 三脚 双眼鏡
・地球照を見る。
・二日月や三日月のときに月を観察する。
・月の影の部分に,うっすらと模様が見える。
夕方の西の空で二日月や三日月が光っているとき,影の部分がうっすらと見えることがあります。色は少し青っぽい灰色で,影になって見えないはずの月の模様が見えます。この現象を「地球照」といいます。地球照は夕方だけではなく,朝方の東の空で27日月や28日月が光っているときにも見ることができます。 太陽光に照らされて,月だけでなく地球も光っています。新月の月の夜の部分から地球を見ると,まん丸の満月ならぬ「満地球」が輝いています。二日月や三日月のとき,地球が反射した太陽光が月の夜の部分を照らし,その光がまた地球に反射して私たちの目に入ります。それで,月の模様がうっすら見えるという仕組みです。その反射光は淡いので,月の明るい部分の面積が大きくなり,地球の明るい部分の面積が小さくなると見えなくなってしまいます。 満地球の明るさは満月の比ではなく,約70倍も明るいそうです。それは,満地球の面積が満月の面積の約13.4倍あります。さらに,白い雲や雪,青い海などで輝く地球の反射能は,岩石ばかりの月面の約5倍もあるからです。青く輝く地球の光が月面の影の部分を照らすので,模様が少し青みがかって見えます。 「月夜の提灯」というたとえの本来の意味は「月明かりのある夜道は十分に明るいので,提灯など必要ない」ということです。満月が煌々と輝く夜道では,くっきりと影ができます。そして,懐中電灯無しで歩くことができます。その満月より約70倍も明るい満地球に照らされた月面では,ライトの必要は全くなく,青く輝く地球を見上げながら散歩できそうですね。 太陽から地球までの距離は約1億5000万kmあるので,太陽光は8分19秒ほどかかって地球を照らします。地球から月までの距離は約38万kmなので,地球が反射した太陽光が月面で反射されて「地球照」が見えるは,約2.6秒後ということになります。宇宙空間を往復する光に思いを馳せると,また違った味わいで「地球照」を楽しめるのではないでしょうか。
地学 | 天文 | 感受性 | 838 | 春夏秋冬
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