双眼鏡
・クルリと輪を描いて飛ぶトビの様子を観察する。
・トビの群れが旋回している地点を探す。
・帆翔と上昇気流などとの関係が分かる。
トビ(俗名トンビ)が旋回する様子がよく見られる場所があります。羽ばたかないということは,上昇気流が発生していて,それに乗って飛んでいるのでしょう。省エネで旋回しながら,獲物を物色しているのでしょうか。 「とんび」の歌詞に「たのしげに輪をかいて」,また「夕焼けとんび」には「とんびがくるりと輪をかいた」とあります。これは帆翔(はんしょう)=ソアリングと呼ばれる飛び方です。タカ・ワシはもちろん,カモメやカラスも帆翔するそうです。 上昇気流=低気圧と捉え,トビがクルリと輪を描いて飛ぶと天気が下り坂になるという考えがあります。しかし,そんな日は,雲ひとつない青空が一日中続くことが多いように思うのです。観天望気では,トビが輪を描いて飛ぶと好天になるとされています。しかしこれも,晴れると地表が温められて上昇気流が発生しやすくなり,それに乗ってトビが輪を描いて滑空するのですから,先を予測する観天望気とは言えないと思います。 さて,現地を調べてみました。大きな倉庫の西の裏手でトビの群れが旋回しています。その中心地点は窪地になっていました。そこには牛舎があり,側を小川が流れていました。そして,おびただしい数のスズメとカラスの鳴き声であふれていました。その上空を,トビが飛び回っているのでした。ここがトビ達のエサ場・水場になっているのではないでしょうか。また,窪地の辺りは周辺より比較的風が強く,その風が高い倉庫の壁に当たり,風が上に向かって吹き上がっているのではないかと思われます。どうやら,予想したような上昇気流ではなかったようです。 なお,この光景を「トビ柱」と言うそうです。そう思えば,見えない柱が見えてきそうです。また,季節としては秋から冬にかけて,日中の寒暖差が比較的大きく,上昇気流が発生しやすい時期によく見られるようです。 ちょうど撮影中に,カラスの大群が飛び立ちました。周辺の木々に留まっていたのでしょう。しばらく飛び回っていましたが,次々と木々に降り立っていきました。カラスも旋回するとされていますが,トビと比べると翼の長さや広さで劣るため,長い間旋回していられないようです。トビがカラスに追い回されている姿をよく目にするのですが。改めて両者の違いを観察することができました。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 鳥の歩き方を観察しよう ハッカチョウ(八哥鳥)を調べよう
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生物 | 動物 生態 | 探究心 | 811 | 秋冬
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野原;![]() |
やさしい
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少ない
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