トンボ(小型:死んだばかりの新鮮な個体)
・昆虫の羽や足を動かしている筋肉の存在を知る。
・死んだばかりのトンボの羽を左右に引っ張って,背中(胸)を割く。
・中には強靭な筋肉が,ぎっしり詰まっていることが分かる。
3年生の理科で,昆虫の体は頭・胸・腹の3つに別れ,胸には足が6本ついていると学びます。事前にアリの絵を描かせてみると,頭の別はあっても,胸と腹を1つにしている子どもがいます。そこで,頭・胸・腹の3つに別れた絵を配り,足はどこに何本ついているか問います。すると,足の数は4,6,8本。ついているところは胸だったり腹だったり。
腹についていたのでは,ズルズル引きずるだけで役に立ちません。筋肉が内蔵されていないからです。そんなことは,3年生は知る由もありません。そこで,私が子どもの頃の残酷体験「トンボの背中割き」を語ります。
シオカラトンボやアカトンボを捕まえます。両手の1・2・3指で左右の羽の根元をつまみ,左右にグッと引っ張ります。すると,背中(胸)がミヂッと割けます。中には斜め縦並びに,筋肉の束がいくつも詰まっています。それを見た私はプチ感動・感心。「そうか,これで羽が動くんか。」高速ですっ飛んだり,ホバリングしたり,「トンボ返り」をしたりできるのは,この強靭な筋肉のお陰なのだと納得しました。
ですから,この様子を子どもに見せれば一目瞭然!腹に羽や足がついてぶら下がっている絵は,もう描かないでしょう。それが分かっていても,未だに見せたことがありません。積もり積もった罪悪感と後ろめたさで,胸を割いて見せることができないのです。そんな実体験から,命の尊さ,生命尊重の精神なるものは,小さな命の弱さ・儚さを身にしみて理解しなければ育めないのではないかと考えています。
なお,このデータは,「トンボの背中割き」をお勧めするものではありません。死んだばかりのトンボが手に入り,必要であれば確かめてみてください。動画の死んでしまったヤンマは背中の外骨格が硬いため,カッターで切れ目を入れて割きました。
覚え歌:きん肉ギッシリッ,むね! きん肉ギッシリッ,むね! だ〜から羽・足よく動く,むね!
ちなみに,私たちの親世代では,子どもの頃,この筋肉を生で食べていた人がおられたそうです。菌も何もいない新鮮な肉,食料だったのです。今流行りの昆虫食は,随分以前には当たり前だったんですね。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 簡易版「肺呼吸モデルを作ろう!」 オケラの前脚パワーを体感しよう 体感できる,腕の曲げ伸ばし筋肉モデル
生物 | 動物 | 探究 | 802 | 夏
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