気象庁の過去の気象データ(1時間ごと,旬ごと,月ごと)
・太陽高度と最高気温との関係を調べる。
・太陽高度と気温の変化のデータをグラフ化する。
・太陽高度と気温がそれぞれ最高値を示す時刻には,ズレがあることが分かる。
多くの児童は,晴れた日の方が曇りや雨の日より気温が高いと認識しています。しかし,1日の気温の変化を連続して測ってみた経験はまずないので,時刻による温度変化の認識には,かなりの差異があります。また,1日のうちで最高気温や最低気温が何時頃かを聞いてみると,児童によって違いがあるのでおもしろい結果になります。 天気が雲の存在によって変わることは4年生で学びます。ここでは,太陽は毎日同じように昇っては沈んでいきますが,雲があるか否かで,気温が変わります。雲が太陽光を遮るので,太陽エネルギーが地上に届きにくくなることと,気温の上昇が小さくなることを関連づけて理解させます。 最高気温は午後2時頃といわれますが,実測ではそうならないことがあります。午後1時や3時頃にずれることが少なくありません。特に海沿いでは海水温の影響で,きれいな山形にもならないようです。そのため,教科書では「昼過ぎの気温が高い」という表現で幅をもたせてあります。 一般的には午後2時頃に最高気温になるという前提で,地面の温度変化と関連させて解説します。時間があれば,下記のような夏至や冬至と,1年間の最高・最低気温のズレについても言及します。 晴れた日の太陽高度と気温の最高値には2時間ほどのズレが生じます。ここでふと,1年間で太陽高度が最も高くなるのは夏至だが,最も暑いのは8月頃ではないかと気になりました。 気象庁→過去の気象データ検索→県・地点選択→データの種類で必要なデータを読み出してグラフ化します。すると,1日の最高気温は太陽の南中時刻より2時間遅れ(2h/24h→1/12)の午後2時頃となっています。まず地面が温まり,輻射熱で空気の温度が上がってくるからです。同じように年間の変化を考えると,太陽高度が最も高くなり昼間が最も長い夏至の時期が最高気温ではなく,ズレが生じるはずです。同じように考えると,夏至(6月21日頃)より最高気温は1ヶ月(1/12)ズレて7月下旬ごろ。でも,8月の方が暑いイメージが・・・ 兵庫県姫路市のデータをグラフ化しました。最高は7月下旬と8月下旬。平均すると,やはり8月が最も暑い。そして,2月が最も寒い。こちらも冬至から1ヶ月半ほどズレが出るようです。いずれにしても,地球自体も簡単には温まりにくく冷めにくいことが影響しているためではないかと考えられます。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 太陽高度とエネルギーを調べよう
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