ケラ,飼育ケース,園芸用水苔,サツマイモやカボチャ,霧吹き
・オケラの前脚の力を体感する。
・オケラを手のひらで軽く包み込む。
・指を押し広げて出ようとする前脚の力強さが体感できる。
オケラは「手のひらに太陽を」という曲の歌詞「ぼくらはみんな生きている・・・ミミズだってオケラだってアメンボだって・・・」に出てくるほど身近な昆虫でしたが,昨今は見かけることが少なくなりました。何より特徴的な前脚は,穴掘りに特化しています。その力は,手のひらで軽く包み込んでも,グイグイと指を押し広げて出てくるほど力強いものです。可愛い目とプニプニした腹部の感触からは想像できないので,初めて体感すると「痛い!」と感じるほどです。昆虫の中で,前脚がこれほどの力を発揮するものはいないのではないでしょうか。このパワーを,子ども達にぜひ体感させたいものです。
オケラは俗称で,正式名はケラです。バッタ目・ケラ科の昆虫で,田畑の土中に巣穴を掘って地中生活をします。食性は雑食で,植物の根や種子,小昆虫やミミズなどを餌とします。モグラのような強靭な前脚で穴を掘るだけでなく,体表を細かい毛がビロードのように覆っているため水に浮き,素早く泳ぐこともできます。さらに,長い後翅で飛ぶこともできるスーパー昆虫です。また「ビー〜〜〜」という連続的な鳴き声が土中から響いてくるので「ミミズの鳴き声」と間違われていたこともあります。ただ,同じような時期に聞こえるクビキリギスの鳴き声「ジー〜〜〜」と混同されることがあるようです。
めったに地表に姿を現さないので採集は比較的難しく,田畑を耕している時に偶然見つかる程度です。ただ,田植え前の代掻きの時は狙い目です。水浸しのうえ土を掘り返されるので,慌てて水面を泳いでいる個体を採集することができます。これも,最近では目にすることが少なくなったそうです。サギやツバメなどが出てくるクモやカエルとともにオケラも狙っていますし,畔にたどり着くとすぐ土中に潜ってしまうので,トラクターのすぐ後を追いかけるのがコツです。
飼育は,水に浸して絞った園芸用水苔をケースに固めに敷き詰めます。そこに放せばすぐに潜り込みます。小さくカットしたサツマイモやカボチャなどを,水苔に少し埋めておきます。クワガタ用の高タンパクゼリーで飼えたという報告もあります。しばらくすると,ケースの壁に横穴が何本も見えるようになります。条件が良ければ,水苔を固めて繭のような産室を作り,30個ほどの卵を産みつけます。乾燥に弱いので,こまめに霧吹きで水分補給をすることが必要です。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 簡易版「肺呼吸モデルを作ろう!」 体感できる,腕の曲げ伸ばし筋肉モデル 昆虫の胸の筋肉にビックリ!
生物 | 動物,生態 | 感受性 | 778 | 春夏
|
室内; |
普通
|
少ない
|