・堆肥
・堆肥から出る熱であたたまる。
・堆肥が発酵している所の温度を測る。
・堆肥から熱が出ていることがわかる。
朝の冷え込みが始まる秋から冬にかけて、牧場や農場で積み上げた堆肥から真っ白な湯気がもくもくと立ち昇っている様子を見たことがありますか?これは微生物が有機物を分解するときに発生する熱によって、中の水分が蒸発しているからです。そこにそっと手をさしこんでみてください。意外とサラサラしているうえに、まるで暖房でもしているかのようにポカポカ温かいことを実感できます。温度計があれば温度も測定してみて下さい。意外と温度が高いことに驚くでしょう。
堆肥とは、動物性・植物性の有機物を、好気性微生物の力を利用して分解させて作られたものです。化学肥料が手に入らなかった昔の農家では、牛馬やニワトリ、人間の糞尿を、落ち葉や藁と一緒に発酵させて、堆肥として利用していました。現在でも、木材チップ、食品製造や下水処理の際に発生する有機性残渣を、発酵によって処理すると同時に、堆肥を製造して有効利用しています。
この発酵の際に発生する熱は「発酵熱」と呼ばれ、うまく発酵すると70℃から80℃まで温度が上昇します。乾燥した家畜の糞1kgから4000kcalから5000kcal程度となります。糞1トンを発酵させると、その発生エネルギーは重油のドラム缶1〜2本分にもなります。
この熱は昔から巧みに利用されていました。その代表とも言えるのが、落葉、米ぬかなどの発酵熱を利用した"踏み込み温床"というもので、まだ気温の低い春にサツマイモの苗を育てるのによく利用されていました。現代では、ビニールハウスなどの保温にも利用されています。
さらに最近は、この熱がクリーンなエネルギーとして注目され、堆肥から発生する熱によって生じる周囲の気温との温度差を利用して「ペルチェ素子」で発電し、その電気を利用しようというシステムも開発中です。また、おが屑を薬草などと混ぜて発酵させ、そこで発生する発酵熱を利用して、ポカポカと体を温める施設も見られるようになっています。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 落ち葉でベッドを作ろう 落ち葉でトンネルを造ろう
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生活 | 熱 | 因果関係 | 751 | 秋冬
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