・コーヒーの空き瓶やペットボトル,焼きごて,ロープ,イワシのぶつ切りや竹輪,バケツ,持ち帰り容器
・ウミホタルを採集する。
・採集容器にエサを入れて海中に沈める。
・ウミホタルの食性や性質がわかる。
岸辺の真っ暗な海の中で,怪しくも美しく青白い光が明滅していることがあります。これが,ウミホタルの発光です。ウミホタルは3mmほどの甲殻類で,海にすむミジンコの一種です。驚くと発光物質を体外に放出し,敵に対して目くらましのように光らせます。発光物質(ルシフェリン)と酵素(ルシフェラーゼ)が体外に放出されると,海中の酸素と反応して発光します。海面を漂う植物性プランクトンの夜光虫も同じように発光しますが,体内での発光です。
ウミホタルは夜行性で,日中は砂地にもぐって隠れています。日が沈むと,エサや交配相手を求めて遊泳します。エサは,生きたゴカイや小魚,その他の生物の遺骸です。
採集容器は,大きなガラス製のコーヒー瓶などを使います。フタに直径数mmの穴を,ドリルや焼きごてなどでたくさん開けます。中に入れるトラップ用のエサは,イワシのぶつ切りがベストだという人がいます。しかし,手や容器に汚れや臭いがつくので,皮をむいた竹輪を数本入れるのがお手軽です。ペットボトルの上から1/3程に穴をたくさん空け,切り込みを入れてエサとおもりの石などを入れてもいいでしょう。ロープをくくりつけた採集容器を砂地の海中に沈めるのですが,ガラス瓶は自重で沈みます。しかし,ペットボトルは軽いので,底に沈めるためのおもりが必要なのです。いずれも,海底で横倒しになるように沈めます。
においを嗅ぎつけたウミホタル達は,穴から中に入ってエサに群がります。20〜30分したら,引き上げてみましょう。穴からこぼれ落ちるウミホタルもゲットしたい場合は,ヒモでつり下げたバケツを降ろしておいて,それで採集容器を受けてから引き上げるとよいでしょう。
持ち帰るときは,新しい海水を汲んで,観賞魚用のネットでウミホタルをすくって入れ替えましょう。そのときにも,たくさんの発光物質を放出して光ります。ウミホタルはパニック状態なんですが,わたしたちは幻想的な美しい光を楽しむことができます。
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