アクリルコップ,PP(ポリプロピレン)シートなど
・大気圧の大きさを体感する。
・水で満たしたアクリルコップにフタをして振り回す。
・遠心力が加わっても,フタは外れない。
コップに水を満たしハガキなどでふたをします。手で押さえて逆さにしますが,その手を放しても水がこぼれ落ちることはありません。ハガキがピッタリはりついて水が漏れないこの実験は,多くの人が知っている大気圧を体感できる実験です。
ただ,この水を減らしてもふたが外れないかと質問すると,意見が分かれることでしょう。空気には弾性があるから,残った水の重さでふたは落ちるだろうという考えと,空気が下に落ちようとする水に引っ張られるため負圧が生じ,ふたを引きつけるので水はこぼれないという考えが交錯して迷ってしまうようです。
ここで,ふたをある程度厚みがあって表面がツルツルのポリプロピレンシートなどに換えて実験します。紙では水がしみこんで平面を保つことができないからです。コップも,変形せず落としても破片が飛び散らないアクリルコップに交換します。
水が半分ほど残っている状態で,コップを真横になるまで起こしてみましょう。ふたは重みでずり落ちると予想する人が多いのですが,ピッタリはりついてとれません。そのまま1回転させることもできます。
どんどん水を減らしていってもふたは落ちないでしょう。最終的には,わずかに表面が濡れている状態でも,表面張力の影響もあってふたは落ちません。
次に,再び水を満たしたコップにふたをして逆さにします。コップの底をワシづかみにしてそのままグルグルと振り回すことができるでしょうか。大気圧と水にかかる遠心力との勝負です。頭では予想できても,かなりスリルのある実験です。ときどき失敗して水をまき散らしてしまうことがあるかもしれませんが,外でやれば問題ないでしょう。
これが成功したら,下に向かってコップを激しく上下させてみましょう。それでもふたは外れません。
いずれの実験も成功したら,水を減らしてやってみましょう。思いがけない結果になるかもしれません。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) ロートで大気圧の実験をしよう フラスコで大気圧の実験をしよう ペットボトルを大気圧でつぶそう ドラム缶つぶし ペットボトルを大気圧でつぶそう ふれあい水槽 ゴム板式空き缶つぶしをしよう ゴムピタ君で持ち上げよう 一斗缶つぶしをしよう
地学 | 大気と水 | 因果関係 | 620 | 春夏秋冬
|
室内; |
普通
|
少し危険
|