一斗缶(アルコールなど)、軍手、大型たらい、ジョウロなど、カセットコンロ
・大気圧の存在と力を体感する。
・一斗缶に水を入れて加熱する。沸騰してからたらいに移し、水をかけて冷やす。
・水蒸気が水に戻って、一斗缶は大気圧で押しつぶされる。
大気圧をダイナミックに体感する実験として,ドラム缶つぶしがあります。大きなドラム缶が音を立ててつぶれていく様は圧巻です。しかし,ドラム缶を入手することや実験後に廃棄することに手間がかかり,誰でも手軽にできないのが難点です。
もっと手軽にできるのが,ジュースやビールなどのアルミ缶つぶし(No.31,No.610)ですが,缶が小さいので迫力がありません。またスチール缶は固すぎてつぶれません。
そこでお勧めなのが,一斗缶つぶしです。比較的ゆっくりとつぶれていきますし,子どもたちからオ ッとどよめきが起こるほど迫力もあります。メタノールの一斗缶などを使って実験してみましょう。
一斗缶を軽く水洗いし,1dLぐらい水を残しておきます。カセットコンロにかけて沸騰するのを待ちます。缶の口から水蒸気がドンドン出て,中の空気がすべて追い出されてしまったころを見計らって火を止めます。間髪入れずにフタをします。軍手をはいた手で取っ手を持ち,水をいっぱいにはった,たらいに移します。
すぐにバン,カンという大きな音が聞こえてきます。缶内に充満していた水蒸気が冷えて水に戻り,内圧が徐々に下がってきます。そのため,外圧(大気圧)によって缶が少しずつ押しつぶされていたのです。
ここでジョウロなどで水をかけて,缶全体を急冷します。すると,バキバキと音を立てながら,頑丈そうな一斗缶が一気につぶれていきます。どよめきが起こる瞬間です。
コツは,水蒸気が缶内に充満するまで十分に加熱し,即フタをすることです。理科実験用コンロでは火力不足です。なお,つぶれていく途中に口の部分が歪むと,空気が入って最後までつぶれません。念のため,予備の缶を用意しておきましょう。
演示者が軍手で扱えば火傷することはありません。子どもたちには,加熱中や実験直後のコンロと一斗缶に触って火傷をしないよう,注意をしておくことが必要です。
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