影送りをしよう

　「ちいちゃんのかげおくり」という本を知っていますか。戦争の悲惨さを訴える，あまんきみこさんの秀作ですが，影送り自体はとても不思議で楽しいものです。「ちいちゃん」と同じように，青空に白い影を送ってみましょう。
　よく晴れていて，雲が少ないきれいな青空の時を選んでください。まず，一人でやってみましょう。太陽を背にして，地面に影を作ります。その影を，まばたきせずに，１０秒以上見つめます。涙が出そうになりますが我慢してください。
　そのうち，影の周りがボワ ッとにじんだようになってきます。そうなったら，絶対にまばたきしないで，そのままスーッと目を上へずらして青空に移します。
　そこには，あなたの姿をした白い影が，はっきり浮かび上がっているはずです。成功したら，写真のように，友だちや家族の人といろんなポーズをとって影送りを楽しんでください。
　コツは，黒い影の周りがにじんでくるまで，まばたきしないで我慢すること。青空を見上げるときにも，まばたきしないことです。早くできた人に一緒にやってもらうと，コツをつかみやすいと思います。
　色や明るさは，信号が目から網膜・視神経・脳に伝わって認識されます。しかし，同じ信号が長く送られている（見続けている）と，信号が弱まったり正しく認識されなくなったりします。黒いものを見続けると白い残像が見えますし，他の色の場合はその補色が見えます。このような現象を，陰性残像といいます。
　出典は「ちいちゃんのかげおくり」あまんきみこ著です。ぜひ一読してみて下さい。 関連実験（あわせて、こちらもどうぞ） 太陽高度とエネルギーを調べよう 影踏みをしよう