六角型(分厚め)ペットボトル,キャップ,電気ポット
・大気圧でペットボトルをつぶす。
・ペットボトルに少量の熱湯を入れ,キャップをしてシェイクする。熱湯を捨て,すぐにキャップを締めて待つ。
・内圧が下がるため,ペットボトルが音を立ててつぶれることが分かる。
大気圧の存在を示すための実験として, No.206「アルミ缶つぶし」がよく知られています。少量の水を入れたアルミ缶をコンロの火にかけます。水が水蒸気になって口から噴き出したら,トングで挟んでボールの水の中に,缶の口からつっ込みます。すると,缶内の水蒸気が冷やされて水に戻るために内圧が下がり,外の大気圧によって押しつぶされます。 一瞬で缶がグシュッと大きな音を立てて押しつぶされてしまうインパクトの強い実験で,子ども達に人気があります。ただ,火器が必要ですし,実験後,缶はゴミにしかなりません。 同じようなことがペットボトルでできる「時限バコン」を開発したので,試してみて下さい。 準備するものは,六角型のペットボトルとキャップ。最近の六角ボトルは薄いので,あまり上手くいきません。分厚めのボトルを探してください。それと電気ポットだけです。 ボトルに熱湯を一押しポットから注ぎ入れ,すぐにキャップを締めます。シェイクすると,気化した水蒸気でボトルがパンパンに膨らみます。それを確認してからキャップをゆるめると,プシュッと音がして,内部の空気が水蒸気と共に追い出されます。すぐに湯を捨て,間髪入れずにキャップをきつく締めてセット完了です。 ペットボトル内は,水蒸気が充満した状態になっています。水蒸気は外気温で冷やされて,水滴に戻ります。ボトル内が白く曇ります。すると内圧が極端に下がるため,大気圧に対抗できなくなったペットボトルは,缶と同様に押しつぶされてへこみます。 六角タイプのペットボトルは,角張っている部分が骨のような役割を果たすので,徐々につぶれていくことはありません。耐えるだけ耐えた後,突如「バコン!」と,大きな音を立ててつぶれます。それがいつか分からないのでドキドキします。そこで,「時限バコン」と命名しました。 炭酸系のペットボトルは熱に弱いので,熱湯を入れると変形するかもしれません。必ず,耐熱性のある,分厚め(なかなか無い)の六角型ペットボトルを使用して下さい。 時限バコンの特徴は,アルミ缶つぶしのような一瞬芸ではなく,時間をかけて楽しめることです。湯を捨てなかったら,「バコン!」までの時間が長くなります。忘れた頃に「バコン!」と来て,心臓に悪いかもしれません。 何人かでしりとりをしながら回して,ロシアンルーレットのような楽しみ方もできます。 また,へこんだ後にキャップをゆるめると,音を立てて元に戻るので,1本で何回も実験できます。 この実験は,冬のある日,風呂に入っていて思いつきました。ペットボトルを風呂に持ち込んであれこれやった後,窓枠にキャップをしたボトルを置いていました。しばらくすると,「バコッ」と音を立ててボトルがへこんだのです。偶然出会った現象と,アルミ缶つぶしの合わせ技で生まれた実験なのです。 熱湯を使うので,火傷しないか心配です。子どもにさせないで,大人が入れるようにしてください。動画を見て,湯の入れ方を確認してくださいね。 火気を必要としないため,比較的安全に手間いらずに実験できます。小学校の水の状態変化や,中学校の水蒸気の凝結などのモデル実験としてもオススメです。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) ロートで大気圧の実験をしよう フラスコで大気圧の実験をしよう ペットボトルを大気圧でつぶそう ドラム缶つぶし ふれあい水槽 ゴム板式空き缶つぶしをしよう ゴムピタ君で持ち上げよう 一斗缶つぶしをしよう コップで大気圧のすごさを感じよう
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