あるスポーツ新聞に、北京五輪に向けての出場選手の選考基準の記事が掲載されていました。 柔道に関するものでしたが、経験や実績からくる「強さ」を、三つのキーワード「βエンドルフィン」「被催眠性」「周辺視野」を用いて解説していました。 βエンドルフィンは心地よいと思うときに分泌される物質ですが、痛みや苦しみを和らげる物質としても知られています。経験豊富な選手はβエンドルフィンを都合よく分泌する能力があるというわけです。 被催眠性は思いこみの能力です。人間の気分を数値化した「気分尺度」で測ると、国際大会などへの出場回数が多い選手ほど気分尺度の数値が高く、リラックスした状態で試合に臨むことができます。 周辺視野は眼球運動の一つの要素です。国際大会などの経験が増えると、経験の無い人に比べ視野が15〜20%広がり、結果的に冷静に状況判断ができるようになるというものです。 科学的根拠を求める場合は、何らかの数値で示さなくては受け入れられません。記事の内容も、心理実験などの結果や血液検査の数値などを前提としたものでした。「経験や実績」など、これまで数値として示しにくいものも、データ化されれば選手選考の決め手となるということです。