原体験コラム一覧
科学実験データ一覧

植物の古名  アサガオはキキョウ?

植物の古名  アサガオはキキョウ?

 文字の無かった時代の日本に最初に伝わって来た文字は漢字ですから、古い書物に記載されている植物の名は漢字で書かれています。現在も当時のまま用いられているものもありますが、あまり使われなくなった名を古名と言います。  古事記には葦(よし)、蒲(がま)、桃、竹、檜(ひのき)、椋(むく)、菅(すげ)、真木、櫟(いちい)などたくさん載っていますし、万葉集には、優雅な古名が数多く詠みこまれています。ただ、これらの古名が現在の植物名と一致していないものあります。  例えば万葉集に詠まれている「あさがほ」は現在のキキョウのことで、私たちが思う夏の「あさがお」ではありません。「春の七草」として知られた植物も、そのいくつかは古名を持ちますが、古名で表現するのは七草がゆを食べる日くらいでしょうか。 セリ・ナズナ・ハハコグサ(古名:御形) ハコベ・コオニタビラコ(古名:仏の座) スズナ(古名:蕪) スズシロ(古名:大根) *万葉集に詠み込まれている植物の古名 あきのか(マツタケ)、 あさがほ(キキョウ、ムクゲ)、 あしび(アセビ)、 あづさ(ミズメ)、 あふち(センダン)、 あえたちばな(ダイダイ)、 あやめぐさ(ショウブ)、 いちし(ヒガンバナ)、 うけら(オケラ)、 うのはな(ウツギ)、 おみのき(モミ)、 おもいぐさ(ナンバンギセル)、 かたかご(カタクリ)、 かほばな(ヒルガオ)、 からあい(ケイトウ、シラン)、 さきくさ(ミツマタ)、 さはあららぎ(サワヒヨドリ)、 さら(ナツツバキ)、 たはみづら(ヒルムシロ)、 ちち(イヌビワ、イチョウ)、 つき(ケヤキ)、 つきくさ(ツユクサ)、 つぎね(ヒトリシズカ)、 つちはり(めはじき)、 つばな(チガヤ)、 つるばみ(クヌギ)、 ときじきふじ(ナツフジ)、 なのりそ(ホンダワラ)、 なよたけ(メダケ)、 ぬなは(ジュンサイ)、 ぬばたま(ヒオウギ)、 ねっこぐさ(オキナグサ)、 ハチス(ハス)、 はながつみ(マコモ)、 はねず(ニワウメ)、 はは(バイモ)、 ひさぎ(アカメガシワ)、 やまたちばな(ヤブコウジ)、 やまたづ(ニワトコ)、 わすれぐさ(ヤブカンゾウ)などです。

前のページへ戻る