原体験コラム一覧
科学実験データ一覧

もったいない  もったいないを忘れることがもったいない

もったいない  もったいないを忘れることがもったいない

 消費が美徳のように言われる時代になり、「もったいない」は死語になったと思っていましたが、環境分野でノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんが「もったいないキャンペーン」を提唱し、世界的に「日本の良い言葉」として見直され始めたそうです。  私の子どもの頃(昭和初期)、「もったいない」は日常に溢れる言葉で、親や祖父母からほとんど毎日のように言われる言葉でした。子どもですから箸使いが不器用で、食べ物をこぼすと「もったいない」、食べ終えたご飯茶碗にご飯粒一つでも残っていれば「もったいない」でした。魚の骨や内臓でも残すと「もったいない」と叱られたものです。それぐらいですから料理をするときも、食べつくすための工夫がありました。鶏をさばいたときに残る骨は付着した肉と共に、家の前を流れる川端の平たい大きな石の上に載せ、小石で叩きつぶして小さな団子に丸めて汁に入れて食べていました。食べたあとのイワシやサンマの骨をカリッと焼いてオヤツ代わりに食べた思い出を語る知人もいます。いずれにしても、その当時は、捨てることは循環から外れる「もったいない」行為だと誰もが思っていました。

前のページへ戻る