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出会い

出会い

 私は小学6年生の時にサッカースクールに通っていましたが、 ある日の試合中、グラウンドの石の中に混じっている小さな水晶を見つけました。説明できないほどの感動を覚えて、思わずその石をポケットに入れて持ち帰りました。  翌日、本川先生にお見せしたところ、先生は私の感動に同調するように「いいもの見つけたね」というようなことを言われました。驚いたのはその数日後のことです。理科室の入口に拳を合わせたくらいの大きな蛍石が置いてありました。今、思えば私の石への興味を尊重してくださったうえでの配慮だったのかと合点がいきます。私は本川先生に「先生これどうしたの?」というようなことを聞きました。先生は「鳳来寺の博物館に行くと分かるかもね」とだけ告げられました。その頃の私の父は仕事が忙しく、めったに私を遊びに連れて行ってくれることなどありませんでしたが、運良くその時だけは博物館に連れて行ってくれました。そのうえ、館長さんとお話する機会に恵まれ松脂岩をお土産にいただきました。それ以来、私の趣味の一つが石集めになったことは言うまでもありません。いろいろな偶然が重なったとは言え、すべてが本川先生の意図を反映したもので、私にとってはとても貴重な原体験でした。今でも時々思います。あの蛍石と本川先生のおかげで理科の先生をやっているんだなあと。ogata

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