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作って遊ぶ -竹馬-

作って遊ぶ -竹馬-

 既成のおもちゃが無い昔は、遊び道具を作ることも遊びの一部でした。  私がお正月によく遊んだのは「さぎあし」です。「さぎあし」は竹馬と同じようなものですが、「鷺の足」の意味をもち、材料はサワラの木です。サワラの木の枝は弾力があり折れにくく、生木なら簡単に皮を剥ぐことができます。剥いだサワラは表面が白くつるつるして見栄えのするものでした。もっとも、生木だと重すぎますから、事前に山から切り出し自然乾燥させた枝を使います。お正月に遊ぶためには、前年に山に行き、ほどよい太さのサワラを切り出さなければなりません。駆け足や片足立ち、片足での飛び跳ね、それぞれに適した「さぎあし」をいくつも作りました。高さや足を乗せる枝の長さを自分に合うように切り揃えたり、足の親指で挟みやすいように削ったりして、それぞれが工夫しながら作ったものです。  竹馬は中国から伝えられた遊びで、枝葉のついた一本の竹に跨って飛び回るものでした。室町時代になると、木で作る二本足の「さぎあし」となり、江戸時代以降、竹製の竹馬が定着したようです。

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