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月までの距離をレーザー光で測る

月までの距離をレーザー光で測る

 月までの距離の測り方はいろいろありますが、レーザー光を使った測り方は、直接距離を測るものです。土地の測量も、少し前までは巻き尺などで長さを直接測りました。現在はレーザー測距儀が使われています。

 月までの距離は次のような方法で測ります。月面に反射する装置を設置し、地球からレーザー光を月面に照射します。そして反射した光が戻ってくるまでの時間を測定し、距離を求めます。そのために解決しなければならない課題は、「月面まで届くレーザー光が作れるか」、「返ってくるレーザー光を捕まえられるか」「月面にレーザー光を反射する装置を設置できるか」の三つです。

 実際の測定には多くの問題がありますが、ここではレーザー光を反射する装置について見てみます。

 アポロ宇宙船で運ばれた反射装置はキャッツアイと呼ばれる装置で、レトロリフレクタ
・逆反射器と言います。これは、光が入ってきた方向にそのまま反射するもので、正確に同じ方向に返すことが必要です。キャッツアイと呼ばれる装置は、大小の球面レンズを半球ずつ組み合わせたもので、どの方向からの光も正確に同じ方向に返すことができます。この光の返した方は鏡の反射とは異なるものです。

 同じ目的の装置には、コーナーキューブリフレクタがあります。鏡3枚で立方体の角の形状を作ったものですが、キャッツアイ同様、どの方向からの光も元の方向に返します。
自転車の反射板、道路の丸い反射板、歩行者用の反射テープなどは、それを利用したものです。

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