原体験コラム一覧
科学実験データ一覧

生きていることと生きること1  生きていると実感する豊かな体験

生きていることと生きること1  生きていると実感する豊かな体験

 言葉の印象だけで言えば、「生きている」ことは受動的、「生きる」ことは、より能動的な生を意味するように思えます。「生きている」ことと「生きる」ことは、その両面を備えてこそ意味があります。「生きている」ことはただ漫然と生きている(生きながらえている)ということでなく、「生きる」という能動的な生き方と両輪であれということです。自分を主張する「生きる」ことと、自分を抑える「生きている」ことと言い換えてもいいかもしれません。また、思い通りに人生を演出する「生きる」ことと、人(自分も含めて)の力ではどうしようもない「生きている」ことは、どちらが欠けても、どちらが突出しても、良い生き方ではないように思います。

 生きていると実感するような数々の豊かな体験こそが原体験かもしれません。喜びを持って生きることへの舵取りをするためには、それを手本にしたいような周囲の経験豊富な大人との出会いも必要でしょう。すぐれた書物の著者との出会いも間接的に関与しますが、それ以上に、生(なま)の大人との出会いが肝心だと思います。

前のページへ戻る