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拍動と脈拍が,同期していることを体感しよう

  • 拍動と脈拍が,同期していることを体感しよう

材料

自分と家族

内容

・拍動と脈拍が同期していることを調べる。
・胸で拍動を,首で脈拍を感じ取って比較する。
・拍動と脈拍が,少しズレるが同期していることが分かる。

詳細

小6の理科で,拍動と脈拍が対応していることを体験的に学びます。まず,胸に手を当てて拍動を感じ取ります。子どもはほぼ全員,この方法で拍動を感じ取ることができます。胸板の厚い大人は,できない人が多いですが。次に,手首や首で脈拍を感じ取ります。子どもには,頸動脈の位置が分かりづらいようです。ドラマで刑事が被害者の首に指先を当て「死んでいます。」みたいなことを言っているのは知っています。しかし,子ども達では,この方法で生死を判定することはできないでしょう。これが,これまでの指導方法でした。 ある時,大阪の竹村さんから,簡単・確実な,頸動脈で脈拍を取る方法を教わりました。その方法は,動画を見てください。コツは,指先で脈拍を感じようとしないこと。もう一つは,指を顎の骨に当たるよう,首の上の方に手を当てることです。首をぐるりと手で覆うようにすると,親指と人差し指の内側で,はっきりと脈拍を感じ取ることができます。この方法だと,ほぼ全員が,脈拍を感じ取れました。 この方法のお陰で,拍動と脈拍を同時に感じ取ることができるようになります。その方法は,まず,胸に手を当てて拍動を感じます。そのまま,手を首に当てて頸動脈で脈拍を感じます。これで,2つが同じ間隔で命を刻んでいることが理解できるはずです。 子ども達に,そのリズムが一致しているかズレているかと問うと,答えが分かれました。どちらが正しいのでしょう。 パスカルの原理で考えると,心臓の拍動による圧力は,血管の隅々にまで同じように伝わるはずです。ただ,距離が離れているとどうなるかが問題です。 ここでもう1つ,オススメの実験・体験を紹介します。相手の胸(左心室の辺り)に,直接耳を押し付けるのです。すると,ビックリするほど大きな心音が聞こえます。この人は生きてるんだなあと,実感することができるはずです。名付けて「耳心音」! この方法で心音を聞きながら首で脈拍を取ると,わずかなズレがありました。ドゥドックンといった感じです。手首だとズレが少し大きくなり,ドドックンという感じです。足首ではさらにズレが大きくなり,ド・ドックンという感じです。つまり,心臓から離れるほど,拍動と脈拍のズレが大きくなることが確認できました。 これまでは,大人の自分ができないものだから,子どもができることに思い至らなかったことを反省し,「耳心音」に加え,今年から「拍動・脈拍同時体感」を実践しています。「耳心音」は,コロナの時代には控えなければなりません。また,女子の身体的発達に差異があることも考慮して,家庭で家族で心音を聞き合うことを自由課題にしています。子ども達だけでなく家族の方にも,命を生きていることを感動的に体験して欲しいのですが,今の時代,一様に宿題にするのは難しいと思っています。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生理学 探究心 902 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
普通
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