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磁石の難問にチャレンジしよう 1/2

  • 磁石の難問にチャレンジしよう 1/2

材料

棒磁石(フェライト,鉄) クリップ 釘 ゴム磁石 ヘマタイトのブレスレット,マチ針,割り箸,ビニタイ,リング磁石,鉄球,着磁器 

内容

・磁石の難問に挑戦させる。
・子ども達の知識と経験だけでは解けないような問題も与えて挑戦させる。
・子ども達の,磁石・磁力に対する興味関心が高まることが期待できる。

詳細

3年の理科で,磁石について様々な実験・体験をします。そして,磁石につくのは鉄だけである。磁石の力は離れていても働く。磁石にはN極とS極がある。鉄を磁石にすることができる。などを学びます。 学習が一通り終わったら,子ども達が知識や体験を活用できるか「チャレンジ問題」に挑戦させてみてはいかがでしょう。 【問題1】:磁石にくってけて磁力をつけたクリップは,小さな鉄釘をいつまでくっつけていられるだろう。近いのはどれか。ア.1分,イ.10分,ウ.1時間,エ.1日,オ.1週間,カ.1ヶ月 正解に近いのはカです。最長で2ヶ月以上くっついていました。もっと長持ちするかもしれません。これは,大人も間違いやすい問題です。鉄は磁化しやすいが磁力はすぐに消失すると思い込んでいて,実際に試したことがないからでしょう。 【問題2】:ゴム磁石を3つに切ると,切った真ん中の部分の極は,どうなっているだろうか。ア.極はない,イ.N極とS極,ウ.その他 2つに切るのではなく,3つに切るのがミソです。子ども達は磁石の真ん中に磁力がないことを知っているので,アを選ぶ子どもが少なからずいることでしょう。 正解はイです。他の磁石や方位磁針,磁極判定器で確認させるとよいでしょう。 『磁極判定器』は,磁気ブレスレットや磁気ネックレスに使われているヘマタイトを,割り箸の先などにマチ針で固定し,NSのシールを貼って作ります。 【問題3】:2本のうち,磁石はどちらだろうか。棒磁石を2本用意し,片方を着磁器で消磁しておきます。見た目は同じだけれど,片方はただの鉄の棒。 これは,意外に簡単にクリアされてしまいます。それぞれの真ん中に片方の端を当て,付いた方が磁石です。磁石の真ん中には磁力がないことは,かなり定着しているようです。 【問題4】:棒磁石のS極に,鉄の棒(消磁した磁石)をTの字に付けました。鉄の棒の両端は,何極になっているだろうか。ア.両端がN極とS極,イ.両方ともN極,ウ,両方ともS極,エ.磁石に近い半分がN極で,反対側がS極,オ.その他 正解はオです。棒全体がS極になっています。方位磁針や磁極判定器で確認させます。カットビニタイを撒くと,磁界の様子が見えるようになります。この問題は,大人でも理解しづらいかもしれません。S極を叩き出して棒の形にしたらどうなるかと考えると,納得できるのではないでしょうか。 『カットビニタイ』は,100円ショップのビニタイを金切り鋏でカットすると,簡単に大量に作ることができます。 【問題5】:ぶら下がったマチ針の頭が,くっつかないで離れているのはなぜだろうか。上の方は見えないように,ブラックボックス化しています。 揺らしても落ちません。子ども達は当然のことながら,黄色い部分に磁石が隠されていると予想します。しかし,予想はそこまで。なぜ頭の部分が広がってくっつかないのか,説明できる子どもはほとんどいません。 フタを取ってみます。予想どおり,上には磁石が隠されていました。上がN極なので,マチ針の頭の部分は全てS極。同じ極同士で反発し合っているのでくっつかない,というのが正解です。 【問題6】:磁石対クリップ,どっちが強いか選手権。磁石に乗せた鉄球に,クリップを付けました。このままクリップを持ち上げると,鉄球をゲットできるのは,下の大きなリング磁石か,それとも上の大きなクリップかという問題です。ア.磁石の勝ち,イ.クリップの勝ち,ウ.引き分け,エ.その他 磁石の勝ちだと予想する子どもが多いかと思いきや,意外にクリップ派も少なくありません。根拠はなかなか難しいようですが。正解はクリップの勝ちです。子ども達には,ミニサイズの実験セットで体験させます。玉が軽いので,リング磁石の磁界のはるか上まで鉄球を持ち上げることができます。磁化すると,フェライトより鉄の方が磁力が強くなるようです。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 磁気 探究心 889 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
難しい
普通
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