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ノートルダムの鐘の音を聞いてみよう

  • ノートルダムの鐘の音を聞いてみよう

材料

番線(真鍮の棒),タコ糸(水糸),紙コップ,爪楊枝,竹割り箸,ストロー

内容

・骨伝導を体感する。
・U字型の番線をタコ糸で結び,端を耳に入れて棒で叩く。
・耳で聞くのとは別の音を感じることができる。

詳細

ノートルダムの鐘の音を聞くと言っても,本物ではありません。パリの大聖堂にある鐘の音をyoutubeで聞いてみてください。この鐘の音のように聞こえる実験をしてみようということです。この実験器は,ファラデーラボの森本さんが考案・命名されたものです。 以前から,スプーンとタコ糸で骨伝導を体感できる実験器がありました。大きめのスプーンをタコ糸で吊るし,糸の先を人差し指に2〜3回巻きつけます。スプーンを鉛筆などで軽く叩くと「カン,キン」と甲高い音が聞こえます。ところが,指先を耳に入れて叩いてみると,鐘の音のような「クゥォ〜ン」という音が聞こえます。 前者は,空気の振動によって鼓膜が振動して感じる音です。後者は,鼓膜ではなく振動が骨(耳骨)に直接伝わる「骨伝導」による音なので,音色が違うのです。自分の声を録音して聞いてみると,声が違って聞こえます。普段聞いている自分の声は,口から出た音だけでなく,骨を通して響いてくる音もミックスされているからです。 森本式音の伝導実験器は,番線とタコ糸,及び紙コップなどで作ります。番線をまっすぐに伸ばします。1つから30㎝(森本式は38㎝)の棒をペンチで4本切り取ります。安全のため,カットした端をグラインダーで丸めておくのが森本さんのポリシーです。番線は錆びやすいので,金色(なければ防錆油)に塗っておきます。きれいな音が聞こえるかもしれないという期待感をもってもらうためにです。1本の真ん中を乾電池に当て,U字型に折り曲げます。このとき,左右同じ長さのもの:Aと,2㎝ほど長さを変えたもの:Bを作っておきます。50㎝に切ったタコ糸や水糸を結びつけます。また,竹割り箸にストローをかぶせて,叩き棒も作っておきます。 糸の先を上記の要領で耳に入れて叩き棒で叩くと,「クゥォ〜ン」という鐘の音のような音が聞こえてきます。ただ,この音は本人にしか聞こえません。そこで森本さんは,もう一工夫されました。糸の先を,糸電話のように紙コップに繋ぐのです。すると,鐘の音がコップで増幅され,周りの人にも聞こえるようになりました。 さて,長さを変えたAとBでは音の違いが生じるでしょうか。Aは「クゥォ〜ン」ですが,Bは「クゥワ〜ン」というように響き方が変わります。これは,長さの違いによって「うなり」が生じたからだと言われています。 森本さんは番線(鉄)で作られました。少し高くつきますが,他の方のアイディアを追試して真鍮でも作ってみました。ブラスバンドというだけあって,真鍮(ブラス)の音の響きは抜群で,音色は荘厳です。 なお,ケニスから,固有振動数の異なるトングやフォークを吊るして音色の違いを体感できる「骨伝導実験器 あの鐘をならすのは」が出されています。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) ナズナで遊ぼう つる性植物で,弦楽器遊びをしよう

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 探究心 827 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
やさしい
普通
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