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空き缶で完全燃焼させよう

  • 空き缶で完全燃焼させよう

材料

空き缶 千枚通し ドライバー 割り箸 新聞紙 ユーティリティライター(チャッカマン)

内容

・空き缶で,割り箸などを燃焼させる。
・上だけでなく,下に小穴を多数開けておく。
・下の穴から空気が勢い良く吸い込まれるので,完全燃焼することがわかる。

詳細

6年生の理科で燃焼を扱います。燃焼には3つの要素が必要です。可燃性物質,発火点以上の温度(火源),そして酸素です。そして,完全燃焼にも3つの要素が必要です。燃焼温度,滞留時間,そして空気との混合状態です。 空き缶に入れた割り箸と新聞紙を完全燃焼させることは,子どもの自由試行に任せていてはできません。まず,燃料である割り箸と新聞紙の詰め方で,結果が大きく変わります。また,炎が上がるまでは煙がかなり出るので,屋外で実験することとされています。しかし,屋外では少なからず風が吹いています。これも結果を左右する要素です。 子ども達は,5年生で対照実験(条件制御)を経験しています。ですから,割り箸の数,新聞紙の大きさ,それらの詰め方も,ほぼ同じにする必要があります。しかも,風の影響を受けないためには,室内で実験する必要があります。そうなると,各自,各班ごとではなく,教師の演示実験が妥当だと考えます。また,この実験は空き缶で行うので,燃焼の様子は文字どおりブラックボックスです。この実験結果を指標とし,子ども達が見通しをもって集気瓶を使った検証実験に移行するためにも,演示実験がベターです。 3つの空き缶の口を缶切りで切り取ります。Aは上の大穴だけ,Bは上部に小穴を8個開けます。Cは下部に小穴を8個開けます。この小穴の有無と位置の違いが条件制御です。新聞紙は17×12㎝を2枚,軽くクシャクシャ丸めて缶に入れます。点火用に,新聞紙の角部分を少し上に出しておきます。割り箸2膳分を半分に折り(8本),新聞紙の周りにほぼ均等に立てて差し込みます。 教室の窓は全開にしておきますが,風が強い場合は調整します。窓際に扇風機をセットして,風力強で風を外に向けて強制換気します。子ども達は2m以上離れたところで観察し,煙を吸い込まないよう配慮します。3人にライターを持たせ,同時に着火します。 Aはすぐに火が消えて煙を出します。Bもほぼ同様です。燃焼後に燃料の燃え具合を調べてみると,上の新聞紙が半分ほど燃え,割り箸はほとんど焦げてもいません。Cは,AやBとは大きな違いを見せます。煙探知機が作動しないかと心配なほど,煙がどんどん噴き出します。煙が濃くなっていく頃から,子ども達に目を離さないよう声かけをします。煙が炎に変わる瞬間を目に焼き付けてほしいからです。 炎が上がると上昇気流が一気に強まり,下の穴から勢い良く空気が吸い込まれます。そして,缶の3倍もの高さの炎が,火炎放射器のように噴き出します。わずかな燃料で,よくもこれだけと感心するほどです。あまりの高熱で,缶の塗装も黒焦げになってしまいます。 冷めてから缶の中身を取り出すと,子どもが驚くほど,わずかの白っぽい灰しか残っていません。割り箸の形状は見当たりません。最後に,このように高温で燃焼し,白い灰しか残らない燃焼を完全燃焼ということ,炭は,わざと不完全燃焼させて作ることを教えます。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 木こりのロウソクを作ろう レンガでロケットストーブを作ろう 瓦でロケットストーブを作ろう

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
化学 燃焼 探究心 821 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
難しい
少し危険
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