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瓦でロケットストーブを作ろう

  • 瓦でロケットストーブを作ろう

材料

瓦60枚ぐらい ハンマー 石 新聞紙 枯れ枝や薪 ライター ライパンなど

内容

・ロケットストーブの燃焼効率が高い理由を調べる。
・瓦でロケットストーブを組み立てて火をつける。
・煙突効果で上昇気流が速くなるうえ,空気口が狭いため,空気の流入スピードが上がることが分かる。

詳細

 震災後にひろがる目を覆うばかりの瓦礫の山。散乱した瓦,折り重なった柱など,その一つ一つが幸せな家族の生活を守ってきたものであることを思うと,本当に心が痛みます。  それでも残された人々は,助けが来るまで,残ったものをかき集めて何とか生きて行かなくてはなりません。花壇のレンガなどを組み上げたロケットストーブは,簡単に効率よく強い火力を得ることができる優れものです。瓦礫という言葉の響きは心に深く突き刺さりますが,落ちた瓦で工夫して,煮炊きができるロケットストーブを組み上げてみましょう。これは「しまね自然の学校のたき火小屋の管理人さん」が,災害にあわれた現地の人々の役に立ちたいと考えて紹介されたものをアレンジしたものです。煙がほとんど出ないので,みんなで周りに集まり,炎を見つめながら元気を出して欲しいと思います。  ただ,瓦の多くには,ズレ落ちないように出っ張りがいくつかついていて,真っ直ぐ上に積み上げることができません。事前に,金槌の角を当てて割り欠いておく必要があります。  組み立て方は,動画を観てください。全体が安定するよう,土を少し盛った上などに,土台になる瓦を3・2・3枚ならべます。その上に,左右2枚ずつのせます。その間に1枚のせます。その下が空気の通り道になるので,最も重要な部分です。次に,木ぎれなどを差し込む「焚き口」をつくります。高さを合わせるために,左には4枚,右には3枚の瓦を積みます。この枚数は,組み上げた後で調節し直した方がよいかもしれません。その間に5枚の瓦をのせ,少し斜め後ろにずらして積みます。  後ろにも,2・2・2枚の瓦をならべて土台にします。真ん中の瓦の上にレンガ3個を立てて,燃焼室の壁にします。そこにくっつけるように,左右から3枚ずつ,バランスをとりながら瓦をのせていきます。上の方は,前のずらした瓦に合わせて,少しずらして積みます。この斜めのラインが燃焼室を少し先細りにして上昇気流を強くするので,スムーズな燃焼の助けになります。レンガの左右に,高さを調節しながら瓦を積み上げて完成です。レンガと瓦との空間が「燃焼室」になります。  燃焼室に細い枯れ枝などを入れます。軽くねじった新聞紙に火をつけ,焚き口に細い木ぎれと一緒に挿入します。炎が上にあがって上昇気流ができます。それに伴って空気口から空気が吸い込まれるので,最初出ていた煙も消えて,効率の良い燃焼が持続します。  焚き口をのぞくと,奥=燃焼室で燃えている様子が見えます。燃焼効率が高く,燃料がどんどん燃え尽きていきます。燃焼室には,空気口から常に空気が供給されているのですが,焚き口で燃えるようになると酸素不足で不完全燃焼になります。木ぎれを奥へ奥へと送ることは,安定した燃焼に不可欠な作業です。しばらくすると,焚き口から燃焼室に炎が吹き出しているように見えてきます。スムーズな空気の流れができあがっているからです。狭い空気口から勢いよく空気が吸い込まれるので「コ~ッ」という心地よい音が聞こえます。  燃焼室は瓦で囲まれています。瓦の断熱効果で燃焼室から熱が逃げにくいので,高温を得ることができるのもポイントの1つです。  木ぎれが燃え尽きた後で燃焼室をのぞくと,灰が白くて量がとても少ないことに気づくでしょう。完全燃焼している証拠です。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 木こりのロウソクを作ろう レンガでロケットストーブを作ろう 空き缶で完全燃焼させよう

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
化学 熱 燃焼 探究心 815 春夏秋冬
春夏秋冬
広場;
広場
難しい
少し危険
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