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レンガでロケットストーブを作ろう

  • レンガでロケットストーブを作ろう

材料

ブロック2個 レンガ20個ぐらい 石 空き缶のフタ ハンマー 新聞紙 枯れ枝や薪 ライター フライパンなど 

内容

・ロケットストーブの燃焼効率が高い理由を調べる。
・レンガでロケットストーブを組み立てて火をつける。
・煙突効果で上昇気流が速くなるうえ,空気口が狭いため,空気の流入スピードが上がることが分かる。

詳細

 煮炊きは,ガスコンロやIHでするのが当たり前ですが,災害でガス・電気のライフラインが寸断されればお手上げです。被災地では,カセット式ガスコンロが完売したり,避難所で焚き火をしたりして急場をしのいだようです。そんなとき,花壇のレンガなどを組み上げてキッチンストーブを作れば役立つのではないでしょうか。湯沸かしや調理だけでなく,わずかですが暖をとることもできる優れものです。  別名「ロケットストーブ」は,狭い空気の流入口から勢いよく空気が吸い込まれるため「コ〜ッ」とロケット噴射のような音を立てながら,大きな炎をあげて燃えさかります。煙が出ない完全燃焼なので,燃料用の木材を有効に使うことができます。そのヒミツはどこにあるのでしょうか。  組み立て方は,動画を観てください。ブロックを土台にすると,高くなって作業が楽です。ポイントになるのは,空き缶のフタの角をハンマーや石などでたたきつぶして平らにした金属の板です。縦横はレンガと同じぐらいがベストですが,少々はみ出してもだいじょうぶです。金属板の役割は,上の焚き口の下に空気口を確保することです。厚さ半分のレンガを使うのもポイントの1つです。なければ少し土を盛ることで,金属板の下の空気口を狭くします。あえて狭くすることで,空気の流入スピードをアップさせることができます。  崩れにくくするため,2段目から5段目までは,レンガを互い違いに組んでいきます。高くすると,煙突効果によって空気の流入スピードがアップします。木ぎれを支えるレンガを,空気口を塞がないよう,3㎝ほど離して手前に置きます。フライパンなどを上の火口に載せると,上昇気流がブロックされます。そこで,燃焼後の空気がスムーズに抜けていくよう,半割れのレンガや石などを五徳がわりにして,十分な隙間をつくります。火力は,木ぎれの量で調節します。  燃焼室に,細い枯れ枝や枯れ葉を入れ,ねじった新聞紙に火をつけて焚き口から突っ込みます。同時に細い木ぎれを数本差し込み,燃え移るのを待ちます。最初は少し煙が出ますが,すぐに火の勢いが増します。少しずつ太めの木ぎれを入れていきます。燃焼効率が高く燃料がどんどん燃えつきるので,木ぎれを押し込んでいく必要があります。  焚き口一杯に木ぎれを詰め込むと,普通は酸素不足になって煙が出るばかりです。しかし,金属板の下には,しっかりと空気の流入口が確保されています。そのため,無駄に煙(木ガスなど)を逃がしてしまうことがないので,少ない燃料で効率よく火力を得ることができます。  上からのぞくと,焚き口の方から炎が吹き出してくるように見えます。実際は,まず燃焼室で木が燃えます。すると,周りの空気が軽くなって上に上がります。そして,その補充として新しい空気が吸い込まれて,上昇気流が強くなります。また,レンガの断熱効果で熱が外に逃げないので,さらなる高温を得ることができます。  開発途上国では,加熱することで水を安全に飲むことができるようになって,乳児の死亡率が下がったそうです。また,煙の出ない効率のよい火力を得ることは,燃料を有効利用するだけでなく,煙による健康被害を防ぐことにもつながります。  煙たくないロケットストーブの実力を,実食して確かめてみましょう。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 木こりのロウソクを作ろう 瓦でロケットストーブを作ろう 空き缶で完全燃焼させよう

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
化学 熱 燃焼 探究心 814 春夏秋冬
春夏秋冬
広場;
広場
普通
少し危険
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