サクラの花
・サクラの蜜を味わう
・花をちぎって付け根をなめる。
・ほのかな甘みが感じられる。
「春嵐に堪へて咲きたる曙に花のままにて落つる桜よ」
桜は「散る」、牡丹・椿は「落ちる」、梅は「こぼれる」と表現されるものですが、あえて「落つる」としたわけは、花ごと落ちている桜を見て読んだ歌だからです。
なぜ桜が花ごと落ちていたのでしょう。開花してから冷え込みが続くと、自己防衛としていくつかの花を落としてしまうことがあるようです。しかし、基本的にソメイヨシノは花を落としません。萼(がく)の部分が種を作る子房を包み込んでいるため、花ごと落としてしまうと実をつけることができないからです。
落ちた花をよく見ると、子房のすぐ上からちぎれています。花をちぎったのは、蜜をなめにきた鳥たちでした。ヒヨドリなどは、長い舌を正面から花につっこんで蜜をなめます。しかし、スズメなどは舌が短いので、花の付け根の蜜の溜まっている所から直接なめるために、くちばしで食いちぎって花を落としていたのです。
スズメを真似て蜜をなめてみましょう。爪先で花の付け根を2〜3�ほど残してちぎります。残った方を舌先でなめます。ほのかな甘さが感じられるでしょう。ちぎれた花の苦みが混じる場合がありますが、子どもたちには、かすかな甘みを楽しむことができる味覚と感性を育ててほしいものです。
葉も起源的には花と同じです。桜の葉の付け根にも蜜腺があり、アリなどが蜜をなめにきます。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) オドリコソウの蜜を味わおう ホトケノザの蜜を味わおう
原体験 | 植物 | 感性 | 671 | 春
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野原; |
普通
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少ない
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