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蛍光   ホタルの光は熱くない

蛍光   ホタルの光は熱くない

 ホタルは発光する昆虫です。ほたるの名前は、すでに日本書紀にも見られますが、“火”(ほ)が“垂れる”が転じて「ほたる」となったと言われています。ホタルの光は淡くはかなげなことから消えゆく火を連想させ、炭の残り火を形容するときに「蛍火」という味わいのある言葉としても使われます。

 ホタルの発光は熱を伴わないものです。そのためか、熱を伴わない発光を蛍光(けいこう)と言います。理学用語では、蛍光を「ある物質が、光、紫外線、X線、電子線などの電磁波によって刺激を受けた時に発する高熱を伴わない光」と定義しています。紫外線やX線、可視光線などの電磁波が照射されて、そのエネルギーを吸収することで 電子が励起し、それが元の状態に戻るときに、余分なエネルギーを電磁波として放出します。これが蛍光です。蛍光と言えば最も身近なものは照明として使われる蛍光灯です。蛍光灯は、ガラス管内の低圧水銀蒸気中でアーク放電により紫外線を発生させ、蛍光体で目に見える蛍光を発するようにしたものです。

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