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水素ロケットモデルを飛ばそう!!

  • 水素ロケットモデルを飛ばそう!!

材料

PPフィルムシート アルミテープ スーパーボール ストロー 超強力ボンド 水素・酸素ガスボンベ 塩ビ管 板材 丸棒 L字金具 チャッカマン(点火棒) 皿ネジ バックアップ材 スポンジ両面テープ

内容

・水素ロケットモデルを打ち上げる。
・水素ロケットモデルを作り,水素爆鳴気を充填して,圧電素子で着火する。
・大きな音を立てて,ロケットが発射される。

詳細

日本のH-Ⅱロケットの主な推進力は,液体水素・液体酸素エンジンです。この技術は世界的にもトップクラスだということです。それを疑似体験させたいと考え,福井広和さんが開発された「水素ロケットモデル」を作ってみました。 発射台の材料は,板(15×7×1.2cm),塩ビ管(内径1.3cm,長さ13cm),L字金具(特厚金折(かなおり)2cm),皿ネジ(4×12mm),ボンド(スーパーX HYPERワイド)です。 点火装置の材料は,チャッカマン(点火棒)で圧電素子から2本の導線が出ているもの。点火棒の多くは,分解しても圧電素子そのものしか取り出せません。本体が透明で,導線が確認できるものを購入してください。それから,M10のナット,強力スポンジ両面テープです。 ロケット本体の材料は,PPクラフトフィルム(ポリプロピレン製で,厚み0.2mm,10×13cm),アルミテープ(2×10cm,2×7cm,2×3.5cmが2枚),スーパーボール(直径2cm),ストロー(外径8mm長さ2cm),バックアップ材(直径1.5cm,長さ2.5cm),丸棒(直径2cm,長さ13cm),ボンド(スーパーX HYPERワイド)です。 点火棒を分解して,導線付き圧電素子を取り出します。導線の長さを揃えて,先端の皮膜を約1cm剥がします。 塩ビ管に,L字金具を取り付けるための下穴を2カ所,ハンドドリルで開けておきます。導線の先を半丸に丸めておいて,皿ネジでL字金具ごと塩ビ管に固定します。2本のネジの先端の間隔は,スパークが飛びやすい約1mmになります。 燃料の気体が漏れないように,塩ビ管の口にボンドを塗ってから,土台の板にネジで固定します。 M10ナットを強力スポンジ両面テープで貼り付け,圧電素子の先を差し込んで仮固定します。これで,発射台が完成しました。 丸棒の先の角を,ヤスリで少し削っておきます。丸棒にPPクラフトフィルムをピッタリ巻き付け,アルミテープで固定します。 巻きが解けないよう,セロハンテープで両端ともに固定します。 アルミテープ2枚を,十字に貼り付けて蓋をします。サイドにアルミテープを巻いて補強します。 スーパーボールをパンチで挟んでおいて(手は危険!),半分にカットします。それをロケット本体の先端コーンとして,ボンドで固定します。 これだけだと飛行が安定しないので,下部にスカートを付けます。ストロー4本を均等に,本体の下部にボンドで固定して完成です。モデル名は「水素ロケットF-HR」です。 燃料は,水素2:酸素1の割合で混合させた爆鳴気です。50mLの注射器に1.5cmのシリコンチューブを取り付けます。それを水素と酸素のボンベの口に差し込んで押すことで,水素20mL・酸素10mL(2:1の割合=水素爆鳴気)を採取します。 発射台ごと逆さにしておいて,水素爆鳴気を下からゆっくりと充填します。下からロケットを被せて元に戻します。これで,燃料の充填完了です。 ただ,ロケット全体を被せてしまうと,爆発時の抜けが悪くなって破損につながります。被せるのは5.5cmにしました。 教室で真上に打ち上げると,天井にぶつかってロケットが破損します。それで,ロケットと言いながら,発射台を斜めにしてミサイルのように飛ばしましょう。 圧電素子を押すと,ネジ間にスパークが飛んで爆鳴気に点火・爆発し,ロケットが打ち出されます。逆さ充填してから10秒以内に点火してください。 廊下で斜め打ちした飛距離は,約9mでした。 真上に打ち上げる場合は,天井の高いところや体育館などで実験してください。 もう1つのモデル「水素ロケットI-HR」は,「水素ロケットF-HR」を少し加工したものです。 バックアップ材に,強力スポンジ両面テープを貼り付けます。捻じ込みやすいように,反対の端を少し斜めにカットしておきます。ピンセットで,コーンの裏の真ん中に固定します。 水素爆鳴気を充填したら,ロケットの先の方をつまみ,バックアップ材を塩ビ管に1cmぐらいねじ込んでセット完了です。 廊下で斜め打ちした飛距離は,約7mでした。 ロケットが閉鎖系だと本体が破裂する恐れがあるので,開放系になるようにしてください。2つのモデルは,塩ビ管とロケットの間に約2mmの隙間があります。 それでも,一瞬ですが炎が吹き出したり, ロケットが破損する場合があります。 実験するときには,安全メガネを装着してください。また,軍手などをはめることをお勧めします。耳栓もした方がよいでしょう。周囲で見学している人にも,耳を塞いで安全メガネを装着してもらいましょう。 水素爆鳴気が爆発するとビックリするほど大きな音がするので,周囲の人を驚かせたり迷惑をかけたりしないよう,発射前に声かけをしてから実験するようにしてください。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
化学 爆発 エネルギー 探究心 944 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
難しい
少し危険
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