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ツインテール,オオカマキリの産卵(ダブル!トリプル!)

  • ツインテール,オオカマキリの産卵(ダブル!トリプル!)

材料

カマキリのメス エサとなる昆虫 飼育ケース

内容

・カマキリの産卵を観察する。
・飼育ケースに入れて,エサになる昆虫を与える。
・卵鞘を2個以上産むことが分かる。

詳細

子ども達に,卵鞘(らんしょう)から孵化する前幼虫と1齢幼虫を見せるため,オオカマキリのメスを2頭飼育していました。秋が深まってエサの昆虫が採集できなくなってきたのに,待てど暮らせど卵を産みません。 11月9日,仕方なく,卵鞘を産み終わったトノサマバッタを投入しました。それらを食い散らかしても,まだ産みません。 食べ痕を見ると,2頭のトノサマバッタは,肉を完食されていません。特に右の1頭は,頭部以外は食べ残しています。やはり,獲物を食べる順番が,まず頭部(脳)からだという報告は正しいようです。脳は,脂質・長鎖脂肪酸を豊富に含んでいるからだと言われています。 いよいよエサがいなくなりました。そこで,ジョロウグモ,アシナガバチを与えましたが・・・最後の手段。ペットショップで購入したフタホシコオロギを10頭ずつ与えても,まだ産みません。 また追加購入しなくてはと思っていた11月25日の午後3時過ぎ,ふと見ると,2頭のメスが,同時に産卵を開始していたのです。慌てて撮影し始めましたが,すでに1/3ぐらいは産み終わっています。 撮影しやすいように,フタだけ外して壁に立てかけました。このように動かしても,近接撮影しても,彼女達は手を?休めることなく,一心不乱に卵を産み続けました。 粘液を泡立てて塊を作り,その中に,細長の黄色っぽい卵を1つ1つ,整然と並べながら産んでいるはずです。その並んだ卵の様子を撮りたかったのですが,泡に隠れて見ることはできませんでした。 産卵時間が長いので,経過をタイムラプスで撮りました。全部産み終わったのが約2時間後でした。1つの卵鞘に200個ぐらいの卵が入っているそうです。それを産むのに,約3時間ほどかかるようです。 産み終わってしばらくしてから,卵鞘にメスを入れて中を覗こうとしました。しかし,卵鞘はもうすでに硬くなっていました。いったい,どの時点で硬化するのでしょう。産んでいる時は,フワフワのメレンゲそのものでしたが。 産卵後のメスの腹は,まだ大きく膨らんでいます。調べてみると,1頭のメスは2〜5個の卵鞘を産むそうです。それを確認すべく,またエサやりが始まりました。次のコオロギ10頭ずつを完食しましたが,なかなか2個目を産んでくれません。 11月26日,迷い込んできたヒメスズメバチのオスを,飼育ケースに入れてみました。すると,カマで捕らえはしましたが,産後で体力が弱っているのか,力で振り切られてしまいました。アシナガバチは瞬食でしたが,さすがはスズメバチです。その内に,1頭のカマキリが死んでしまいました。 12月14日,残った1頭のケースに,再びスズメバチを入れた翌朝,頭部や足,体の殻だけを残して,実に見事に獲物を平らげていました。そしてフタには,2個目の卵鞘が産み付けられていました。スズメバチのお陰で,栄養補給が万全だったのでしょう。 3個目を期待して,またコオロギを与え始めました。10数頭与えても,一向に卵を産みません。 12月26日, もうこれしかないと,成虫越冬するクビキリギスを2頭探し出して,ケースに入れました。翌日には,1頭が食われていました。 12月28日,もう1頭のクビキリギスをカマキリの前で動かしてみると,ガシッと横抱きにカマで捕らえ,食べ始めました。胸部を中心に食べましたが,腹部は食べ残しました。満腹になったのでしょうか。獲物が大きいので,腹部がかなり大きくなってきました。こうした狩をする動物は,獲物が動いていないと感知できないようです。 さらに,これまた成虫越冬するツチイナゴを見つけてケースに入れました。大きくて元気一杯なので,いつもの定位置を奪われてしまいました。それでも,いずれは獲物にしてしまうんでしょうね。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態 探究心 913 秋冬
秋冬
室内;野原;
室内 野原
難しい
普通
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