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昆虫の複眼に,紫外線ライトを当ててみました。

  • 昆虫の複眼に,紫外線ライトを当ててみました。

材料

昆虫 LED(白,赤,緑,青,紫外線) 蛍光灯

内容

・昆虫の複眼を調べる。
・複眼に紫外線ライトを当てて比較する。
・複眼や単眼が,黄白色に光る場合があることが分かる。

詳細

ヤマトタマムシです。体の色は,主に金属光沢のある緑色です。それが,見る角度によって赤・青・金色などに光って見えます。これは,七色に光って見えるcdと同じような仕組みで,構造色によるものです。 ふと,当てる光の色を変えると,見える色が変わるのか気になって,試してみました。光源は,蛍光灯,LEDの白・赤・緑・青,100円ショップの紫外線ライトです。紫外線ライトもLEDです。 蛍光灯の光を当てると,日光と同じような色合いです。白色LEDでも,同じような玉虫色に輝いて見えます。赤色LEDでは,全体に赤っぽくなり,赤く見えていた部分が黒っぽくなりました。緑色LEDでは,もちろん緑色っぽくなりますが,赤く見えていた部分が黒っぽくなりました。青色LEDでは,全体が青っぽくなりました。紫外線ライトでは,全体が紫っぽくなりました。結果的に,白色より綺麗に見える色はありませんでした。 何も得るものがなかった実験でしたが,面白いと思ったのが,気づかれたでしょうか。目の色の変化です。タマムシの目に青色LEDを当てると,黒目がマットな(光沢のない)赤色に光るのです。カメラでは再現できないのが残念ですが。青の補色は橙色なので,そのような関係では無いようです。さらに,紫外線ライトを当てると,黒目が不気味でマットな黄白色に光りました。カメラでは,ターコイズブルー(青緑白色)がかっていますが。稀に,白目や赤目のカブトムシやクワガタムシが生まれることがありますが,それと関係があるのでしょうか。 仕組みが解明できないのですが,他の昆虫でも試してみることにしました。同じ甲虫のカブトムシ・メスではどうでしょう。やはり,白目・赤目になりました。他の色の光では,変化はありませんでした。アゲハでは変化がありませんでしたが,オオムラサキでは,紫外線で少し赤っぽくなりました。ショウリョウバッタやコオロギでは,変化なしです。ウスバキトンボやシオカラトンボでも,変化なし。 アブラゼミやクマゼミでは,紫外線でマットな淡黄白色になりました。死んで冷蔵保存5日目のセグロアシナガバチです。紫外線で明らかに淡黄白色なりました。3つの単眼までくっきりと淡黄白色に光ります。同じく冷蔵保存したクマバチです。これも,紫外線でマットな淡黄白色になりました。試しに,生きたクマバチを冷蔵して動きを止め,比較してみると。。。やはり淡黄白色になりました。ただ,やや光が弱いようです。これは死後,乾燥によって目の組織に変化が起こるためかもしれません。死んで冷蔵保存5日目のコガタスズメバチでは,やや鈍い淡黄白色になりましたが,生きている個体では,変化はほとんどありませんでした。 今回の調査では材料が少ないので,紫外線ライトを当てると複眼や単眼が淡黄白色に光る昆虫を区別することはできませんでした。また,その仕組みも不明のままです。昆虫は赤色や黄色が見えにくいのですが,人間には見えない紫外線が見えていると言います。だから,UV捕虫機に引き寄せられるのです。この習性と関係があるのではないかと思ったのですが,関係性は不明です。今回は「こんなこともありますよ」というレポートに終わりましたが,興味を持たれた方,調べてみませんか?

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 探究心 904
夏
室内;
室内
普通
少し危険
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