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自然に学ぶ その2

自然に学ぶ その2

 古くから、私たちは暮らしの中に自然の形や色を取り入れてきました。例えば藍や茜などの色を染料として、また、植物の葉や波の模様やさまざまな形を着物の柄や家紋などのデザインとして、あるいは、流線型の乗り物や飛行機などに、魚や鳥の形を効果的に取り入れ・・・と、挙げればキリがありません。  近代になり、科学とそれを応用した科学技術が進み、機能面では自然をはるかに凌ぐものが出てきました。新幹線の先頭車両の先端の形は、水中に高速度で突入するカワセミやカモメの口ばしと同じような形に設計されていますが、もちろん、オリジナルの鳥のスピードを上回る超高速の機能を持ちます。そういう意味では、自然の形と人工の機能的な形とは必ずしも一致しないかもしれません。けれども、私たちが生活している風土の事象は、自然の仕組みを研究して行き着くものと、機能的な研究の行き着くものは、つまるところ同じと言ってよいように思います。私たちの生活に役立つもの、また、私たちの生活を彩るもののすべては、自然の事象から学べるものかもしれません。

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