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自然界のいじめ1  場所取り合戦

自然界のいじめ1  場所取り合戦

 登校拒否や自殺などの原因と見られる「いじめ」の問題が、さまざまに論議されています。  人間の「いじめ」の定義や論議はさておいて、自然界にはある意味「いじめ」と似通った現象が見受けられます。植物の遷移や適応戦略なども、その一つと言えます。早くその地に根を下ろしたものは、自分に不利益になるものの進入を抑える行動をします。例えば、タンポポのような多年草はロゼット葉を地面に広げ、飛来する他の種子の発芽をけん制します。  もっとも、茎の短いタンポポの場所取りは地表面では有利ですが、長い茎の植物の進入には策がありません。草丈の高い植物が周囲に根付けば、その植物の陰になり生育が阻まれます。さらに、草丈の高い草にしても、木の進入には太刀打ちできません。ただ、これらの関係は、自然界でのバランスを保つ有効な意味を持ちます。

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