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鎖鎌(くさりがま)の科学2(振り子の等時性)

  • 鎖鎌(くさりがま)の科学2(振り子の等時性)

材料

木用ワッシャー(M6:22mm) 釣り用錘6号・3号(ホゴ) 鉛筆など 蛍光水糸(太) 瞬間接着剤 ツイストロック

内容

・鎖鎌の仕組みを,実験セットで調べる。
・実験セットで,振り子の等時性と照らし合わせて実験する。
・振り子としての長さが変わることで,糸(鎖)が巻きつくことが分かる。

詳細

No.884 「鎖鎌の科学1」に続いて,高田要さんが開発された実験セットで,鎖鎌の秘密を改めて探っていきます。 実験セットの材料は,22mmのワッシャー,釣りの錘6号,太い水糸,鉛筆です。60cmの水糸の両端に,丸結びで3cmほどの輪を作っておきます。水糸はもつれにくくて良いのですが,結び目が解けやすいので,必ず瞬間接着剤で固定しておきます。その片方にワッシャーを,もう片方に錘を結わえて完成です。端を輪にするのは,ワッシャーや錘を簡単に交換することができるようにするためです。 鉛筆などを水平に保ち,ワッシャーと錘を両手に持って糸を張り,鉛筆に直角の角度で10cmほど上から,同時に手を離します。糸が鉛筆に触れた時から,ワッシャーと錘は振り子となって振れ始めます。ただ,錘の方がワッシャーよりずっと重いので,ワッシャーの方の糸の長さは,どんどん短くなっていきます。これは周期が長い状態から短い状態に,連続的に変化していることになります。言い換えると,ゆっくり振れる振り子から速く振れる振り子に変化していることになります。つまりは,手で勢いをつけたかのように,加速されていることになって,クルクルッと鉛筆に巻きつきます。また,もう1つの要因として,巻きつくごとに糸の長さが短くなるので,ここでもさらに加速されていることになります。 ワッシャーと錘を放す位置を高くしたり,糸が鉛筆に振れる位置を変えたりして,巻きつき方が変わるか試してみましょう。 実験セットの場合,錘が落ちながら糸を引っ張ることで,ワッシャーの方の糸が短くなります。鎖鎌の場合は,錘の代わりに人が鎖を意図的にグイッと引っ張るので,分銅の方の鎖がどんどん短くなって加速し,グルグルッと刀に巻きつくという仕組みだと分かったのではないでしょうか。 この実験セットで,振り子の3条件(振り子の長さ,振れ幅,錘の重さ)を変えた実験が,簡易的に行えます。 ワッシャーを軽い釣り用錘(長さが少し短い)に付け替えます。ワッシャーを揺らした場合,縦横になりながら揺れるので,空気抵抗があって周期に影響が出ます。ですから,空気抵抗の差が少ない,釣り用の錘で実験することが肝要です。 支点から各々の重心までが,振り子の長さになります。ツイストロック(電線束ね用,クリップやテープでも可)で振り子の長さが同じになるように固定し,振れ幅が同じになるようにして,同時に揺らしてみましょう。見た目の長さは明らかに少し違います。しかし,重心という知識を与えておくと,振り子の長さと振れ幅を同じにした場合,錘の重さが違っても,1往復する時間(=周期)は変わらないことが確かめられます。ただ,振り子の長さを同じにするのは,大人でも微妙な調整が必要です。 次に,錘を2つとも同じ重さのものに交換します。振り子の長さも同じになるよう調整しておいて,振れ幅を違えて揺らしてみましょう。それでも周期は変わらないことが確かめられます。ただ,2つの錘を同時に揺らして周期を比較するのは,かなり難易度が高いです。子どもには無理かもしれません。 最後に,振り子の長さだけを変えて実験します。長い振り子はゆっくり,短い振り子は速く振れることが分かります。この周期の変化が,鎖鎌の秘密でしたね。 この実験結果をまとめたキャッチコピーです。「1お〜(往)ふ〜く(復)する時間,振り子長さ だけで決まります。長長・短短,長長・短短」長長・短短の意味するところは,お分かりだと思います。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理  運動 エネルギー 探究心 887 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
普通
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