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鎖鎌(くさりがま)の科学(振り子の等時性)1

  • 鎖鎌(くさりがま)の科学(振り子の等時性)1

材料

鎖鎌のモデル(鎌,鎖,ゴム足) 窓枠

内容

・鎖鎌の使い方を調べる。
・鎖鎌のモデルで,振り子の等時性と照らし合わせて実験する。
・振り子としての長さが変わることで,鎖が巻きつくことが分かる。

詳細

鎖鎌(くさりがま)は,草を刈る鎌に鎖と分銅を取り付けた武器です。武士ではない身分の人々の,護身用の武器として用いられたそうです。私が子どもの頃は時代劇が全盛で,忍者が武士と戦う場面で使われていたことが記憶に残っています。敵に分銅を投げつけると,鎖が刀にグルグルと巻きつき自由を奪います。その隙に鎌で切りつけて相手を倒します。刀と比べると格好良さはありませんが,何だか強そうな武器だなあと思っていました。 達人によると,鎖鎌の真価が明らかになります。https://www.youtube.com/watch?v=bXesoopsWGE 二刀流にも引けを取らない強力な武器であり,こんな使い方をするんだと感心させられます。と同時に,振り子の授業で使えるなと思いつきました。 この鎖鎌の鎖(分銅)を刀に巻きつけるためには,あるコツがあります。そのコツがとても科学的で,振り子の等時性との関連があるのです。 『姫路忍者白鷺』の皆さんにお願いして,実演していただきました。迫力ある映像を御覧ください。分銅を投げつけ,相手が刀で振り払おうとした瞬間,何かをしています。そうしないと,鎖が刀に高速でグルグル巻きつかないのです。早過ぎるのでスローでも撮ってみましたが,まだコツが分かり難いようです。 モデルを使って実験的に説明します。振り子との関連が分かりやすいように,鎖(分銅)を縦に振り回します。刀に見立てた窓の横枠に投げつけ,枠に鎖が触れた瞬間,素早く鎖を引きます。すると,クルクルッと鎖が枠(刀)に巻きつきました。 この「素早く鎖を引く」ことが,鎖鎌のコツであり秘密でもあります。 鎖が枠に触れたときから,分銅を錘とした「振り子」としての振る舞いを見せます。最初は長い振り子で周期が長い(=ゆっくり振れる)のですが,鎖を引っ張るため振り子の長さがどんどん短くなって周期が短く(=速く振れる)なります。結果的には,自動的に加速されていることになり,高速でクルクルッと鎖が枠に巻きつくのです。 対照実験として鎖を引っ張らなかった場合,鎖は巻きつくことはありませんでした。 『姫路忍者白鷺』の皆さんに教わった,段ボールで作る鎖鎌モデル。鎖鎌に興味を持った人は,自作して楽しんでみてください。ただ,決して人に対して投げつけないようにしてください。 『姫路忍者白鷺』の皆さんは,姫路城を拠点に活動されています。会いたくなったら週末に姫路城へ! ご協力ありがとうございました。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 運動 エネルギー 探究心 884 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
少し危険
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